基礎知識

医療アートメイクの退色を防ぐ方法:長持ちさせるための完全ガイド

医療アートメイクの退色を防ぐ方法:長持ちさせるための完全ガイド

医療アートメイクを施術したものの、時間が経つと色が薄くなってきたと感じていませんか?忙しい毎日の中で、顔の表情を左右するパーツは、常に美しい状態を保ちたいものです。
この記事では、医療アートメイクの退色の原因から防ぐ方法、長持ちさせるための具体的な対策までを詳しく解説します。これを読めば、医療アートメイクを最適な状態で維持する方法がわかります。

このコラムを読んでわかること

・医療アートメイクは専用の色素を皮膚の浅い層に注入する技術です。1~3年で薄くなり、自然な仕上がりとトレンド対応が可能です。

・色素の退色は皮膚のターンオーバーや紫外線が原因です。施術後は徐々に薄くなり、1〜3年でほとんど消えます。

・退色の要因は色素の種類、肌質、生活習慣、紫外線などが影響します。適切なスキンケアが色持ちに重要です。

・適切なアフターケア、リタッチ、紫外線対策、保湿の徹底などが退色の防止に効果的です。

医療アートメイクの退色とは何か

医療アートメイクの退色とは何か

医療アートメイクは眉やリップなどに色素を入れ、毎日のメイクを簡単にする美容法です。しかし、時間とともに色が薄くなる「退色」という現象があります。ここでは、医療アートメイクの基本的な仕組みや退色のメカニズム、そして退色が起こる過程と期間について解説します。

  • 医療アートメイクの基本的な仕組み

    医療アートメイクは、専用の色素を皮膚の浅い層(表皮深層~真皮浅層)に注入し、半永久的に色を定着させる技術です。
    色素を皮膚の深い部分に入れるタトゥーとは異なり、自然な仕上がりが特徴で、毎日のメイク時間を短縮できます。また、水や汗で落ちないため、スポーツやレジャーでも安心して過ごせます。
    約1~3年程で薄くなるため、トレンドに合わせた微調整ができるのも医療アートメイクの魅力です。

  • 退色のメカニズム

    医療アートメイクの色素の退色は、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)や紫外線、色素の性質などが原因で起こります。
    色素を皮膚の深い部分に入れるタトゥーとは異なり、自然な仕上がりが特徴で、毎日のメイク時間を短縮できます。また、水や汗で落ちないため、スポーツやレジャーでも安心して過ごせます。
    皮膚は約28日周期で生まれ変わりますが、その過程で皮膚の浅い層に入れた色素が徐々に排出されていきます。

    また、紫外線は色素を分解するため、退色を早める要因の他、色素を変色させる原因にもなります。

  • 退色の過程と期間

    個人差はありますが、医療アートメイクは施術直後から徐々に色素が抜けて薄くなり、1〜3年でほとんど消えたり、部分的に消えてまばらな状態になったりすることが一般的です。
    色素を入れる際、理想の色よりも濃い目に入れることが多く、初めの1ヶ月は思っている色よりも濃く感じます。しかし、その後ゆっくりと自然な色味に落ち着きます。
    ただし、肌質や生活習慣、使用した色素の品質や、色素の色味などによって退色のスピードは異なります。

医療アートメイクの退色の原因

医療アートメイクの退色の原因

退色の原因を理解することで、適切な対策が可能になります。ここでは、色素の種類と品質、肌質とターンオーバー、日常のスキンケアと生活習慣、そして紫外線の影響について詳しく解説します。

  • 色素の種類と品質

    医療アートメイクで使用される色素は、有機色素と無機色素に分けられます。
    有機色素は鮮やかな色が特徴ですが、退色しやすい傾向があります。黒色が一般的に有機色素で作られています。
    一方、無機色素は退色しにくく自然な色味を演出しやすいものの、色味の鮮やかさに欠けます。赤や白、黄色などが無機色素で作られています。
    また、低品質な色素は早く退色したり、色味が変化するリスクがあるため、医療アートメイクの施術を受ける際は、使用している色素の確認もしておくと安心です。

  • 肌質とターンオーバー

    肌のターンオーバーが早いと、色素が早く排出され退色が進みやすくなります。
    脂性肌の方や若い方は新陳代謝が活発なため、退色が早まることがあります。反対に、乾燥肌や年齢を重ねた方は、退色がゆっくり進行する傾向があります。
    ただし、乾燥肌で肌荒れが起きていると、色素の排出が早まる可能性もあるため、しっかりと保湿を行うことが大事です。

  • 日常のスキンケアと生活習慣

    医療アートメイクを施術した部位は、ピーリングやスクラブ洗顔は避けるようにしましょう。皮膚の表面を削り、色素の定着を妨げる他、肌のターンオーバーを促進させ色素の退色を加速させてしまいます。
    また、喫煙や不規則な生活は血行を悪くし、肌の状態を悪化させ、色素の変色の原因にもなります。
    綺麗な状態で医療アートメイクの色素を維持するためには、適切なスキンケアと健康的な生活習慣が重要です。

  • 紫外線の影響

    紫外線は色素を分解し、退色を早めたり変色の原因となったりします。
    特に施術直後は肌に傷がつき敏感な状態で、バリア機能が低下しているため、紫外線の影響を受けやすくなります。施術直後は紫外線を避け、クリニックから処方される軟膏を塗布し施術部分を守るようにしましょう。
    また、その後も色素の退色や変色を防ぐために、日常的な紫外線対策を忘れずに行いましょう。

退色を防ぐための対策

退色を防ぐための対策

退色を完全に防ぐことは難しいですが、適切なケアでそのスピードを遅らせることが可能です。ここでは、アフターケアの重要性、定期的なリタッチ、紫外線対策、そして保湿とスキンケアのポイントについて解説します。

  • 適切なアフターケアの重要性

    施術後のケアは色素の定着に大きく影響します。施術部分を清潔に保ち、強く擦らない濡らさないように注意しましょう。
    施術後、傷がしっかりと治るまでの1週間程度は、施術部位を汗や水で濡らしてしまうことで、定着前の色素が流れてしまいます。また、感染の恐れなどがあるため、洗顔の際やお風呂の際は濡れないように注意しましょう。どうしても、施術部分が水で濡れてしまいそうな時は、クリニックから処方される軟膏を塗布してから洗うようにしましょう。
    また、傷が治るまでは、施術部分へのメイクも控えましょう。
    保湿の際は、クリニックから処方される軟膏を塗布して、保護するようにしましょう。

    傷が治った後も、継続して保湿を行うことが大切です。また、日焼け止めを塗るなどして、紫外線対策も徹底しましょう。洗顔時にはピーリング作用のあるものや、スクラブなどの使用は避け、刺激の少ない洗顔料を使うようにしましょう。

  • 定期的なメンテナンスの必要性

    2回目の施術は通常、最初の施術から2週間〜2ヶ月頃の間に行われます。初回の施術後に流れてしまった色素の補充や、形の微調整などを行います。医療アートメイクは、この2回の施術を経て完成すると言われています。色素の退色や変色にも対応することができ、より、綺麗な状態を維持しやすくなります。
    その後は、1年~3年に1回のペースで、メンテナンスを受けることで、より理想の状態を維持できるため、おすすめです。

  • 紫外線対策の方法

    紫外線から肌を守るために、日焼け止めクリームをこまめに塗布しましょう。また、帽子やサングラスで物理的に紫外線を遮断することも効果的です。
    適度に紫外線を浴びることは、体の健康にとってもいいことですが、強い紫外線を長時間、何日も浴びてしまうことは、医療アートメイクの変色や退色を進めてしまうことにつながります。そのため、医療アートメイクを施術した後は、できるだけ強い紫外線下での野外活動は避けるようにするといいでしょう。

  • 保湿とスキンケアのポイント

    保湿は肌のバリア機能を高め、色素の定着を助けます。アルコールや刺激の強い成分を含まない、敏感肌用の保湿剤を選ぶと良いでしょう。
    肌荒れを起こしてしまうことで、色素が排出されやすくなってしまうため、朝夜の保湿に加え、気づいたときにこまめに保湿してあげるといいでしょう。特に、リップの医療アートメイクは、食事などによって刺激を受けやすく、バリア機能が低下して色素が排出されやすくなります。こまめにリップクリームを使用し保湿するように心がけましょう。

退色した医療アートメイクの修正方法

退色した医療アートメイクの修正方法

退色が進んでしまった場合でも、適切な対応で美しい状態を取り戻せます。ここでは、リタッチのタイミングとプロセス、修正にかかる費用と時間、専門家に相談する際のポイントを紹介します。

  • リタッチのタイミングとプロセス

    リタッチのタイミングは、2回目の施術から1年~3年頃を目安に行います。これにより、退色してしまった色素を補充することができ、より美しい状態を作ることができます。 欠けた部分の補充のため、短時間で済むことが多いです。

  • 修正にかかる費用と時間

    リタッチの費用はクリニックやサロンによって異なりますが、初回施術よりも安価な場合が多いです。
    時間も30分〜1時間程度と手軽に受けられますが、退色の具合や、色素の欠け具合によっては施術時間が前後することもあります。時間が思っていたより伸びてしまっても大丈夫なように、直後に予定を入れることは避けるといいでしょう。

医療アートメイクとタトゥーの違い

医療アートメイクとタトゥーの違い

医療アートメイクとタトゥーは似て非なるものです。ここでは、色素の違い、定着の仕組み、退色の違いについて解説し、それぞれの特徴を理解しましょう。

  • 色素の違い

    医療アートメイクとタトゥーは、使用される色素の性質に大きな違いがあります。
    医療アートメイクでは、体内で自然に分解されやすい色素が使用されており、時間の経過とともに色が徐々に薄くなるのが特徴です。この色素は皮膚の新陳代謝によって少しずつ体外へ排出されるため、肌に負担をかけにくく、自然な色合いの変化が期待できます。
    一方で、タトゥーに使われる色素は、半永久的に肌に残るように設計されており、非常に長い期間にわたって色が維持されます。また、タトゥーは皮膚の深い部分に色素を注入し、皮膚のターンオーバーに左右されることがありません。このため、タトゥーはデザインの変更や除去が困難である一方、医療アートメイクは、時間の経過とともにメイクデザインを調整しやすいという利点があります。

  • 定着の仕組みの違い

    医療アートメイクは皮膚の浅い層に色素を入れますが、タトゥーは深い層に色素を入れます。この違いが色素の定着を左右させます。
    より皮膚の浅い層に注入する医療アートメイクは、より自然な色合いの、自然な仕上がりが期待できます。
    一方で、タトゥーは皮膚の深い層に注入するため、ターンオーバーによって色素が排出され薄くなることがなく、はっきりとした濃い色合いで定着するのが特徴です。

  • 退色の違い

    医療アートメイクは退色を前提とした施術で、色味が薄くなるとメンテナンスで調整します。また、注入直後よりも基本的には薄い色味で定着することを計算して、色素の調合を行います。
    タトゥーは医療アートメイクとは異なり、基本的に退色しませんが、レーザー治療などの影響で色味が変化したり色素が抜けたりすることがあります。

まとめ

医療アートメイクは時間の経過とともに退色していく施術です。基本的には初回と2回目のリタッチ施術で完成し、1年に1回のペースでメンテナンスを行うことで綺麗な状態を維持できます。

Q.退色を防ぐために日常で気をつけることは
A.退色を防ぐためには、必要以上に肌の新陳代謝を促進させないことや、紫外線の影響を抑えるための紫外線対策や保湿が有効です。
Q.退色した医療アートメイクは完全に消えるのか
A.退色した医療アートメイクは色味が薄くなることはあっても、ほとんどの場合薄く色味が残ります。退色した医療アートメイクは、メンテナンスで形を調整したり、色味を変えたりすることが可能です。

国際美容医療アートメイク協会が運営するアートメイクスクール
IMAA事務局 広報チーム
執筆者
IMAA事務局 広報チーム

本コラムでは、皆さんに役立つ医療アートメイクに関する情報をお届けします。基礎知識から最新のトレンド情報のみならず、医療アートメイクには不可欠な眉デザインの上手な描き方やメイクアップ方法など幅広く発信します。