- 基礎知識
医療アートメイクの国際ライセンス|必要性・選び方・学び方を初心者向けにやさしく解説

医療アートメイクの”国際ライセンス”について調べると、さまざまな団体・講座・資格名が並び、特に初心者の方ほど、「何を基準に選べば良いの?」「そもそも日本でも必要なの?」と迷いやすいポイントです。
さらに、日本ではアートメイクは医療行為とされており、海外とのルールの違いや資格の扱われ方がわかりにくいことから、不安を感じる方も少なくありません。
本コラムでは、国際ライセンスの基本から、日本との違い、講座の選び方、学び方のコツまでを初心者向けに分かりやすく解説しています。
「まず何から理解すれば良いのか」を順番に整理しながら、これから医療アートメイクを学ぶ方が迷わず進めるようにサポートします。
このコラムを読んでわかること
・「国際ライセンス=世界中で使える」ではない点や、日本と海外で役割が異なる理由を理解し、誤解しやすいポイントをクリアにできます。
・日本で施術できるのは医療従事者に限られ、国際ライセンスは“追加の学習証明”という立ち位置である。
・ライセンス名よりも学べるスキル、講師の質、実技量、サポート体制など、初心者が迷いやすい“本当に見るべきポイント”が整理できます。
・働きながらの学習法、費用・期間の目安、受講後のキャリア形成など、現実的な進め方がイメージできるようになります。
初心者がまず知りたい「国際ライセンスの全体像」

アートメイクの国際ライセンスと聞くと、”世界共通の公的資格”をイメージしがちですが、実際にはそうではありません。
世界にはさまざまな民間団体が存在し、それぞれが独自の基準でライセンスを発行しています。
まずは、初心者の方が特につまずきやすい「そもそも国際ライセンスとは何なのか?」を整理していきましょう。
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どんな人に向いている資格なのか
医療アートメイクの国際ライセンスは技術レベル・学習履歴・知識量を客観的に示したい人に向いている資格です。そのため、“このライセンスがないと仕事ができない”という性質のものではありません。
たとえば、こんな方に役立ちます。
- 海外基準に沿った技術や理論を学びたい
- 将来的に海外で働く可能性を視野に入れている
- 国内スクールでは学びにくい専門的・国際的なカリキュラムを受けたい
- 技術の裏付けになる“学習証明”を持っておきたい
一方、日本で医療アートメイク(眉・リップ・アイライン等)を施術するための必須条件は医師・歯科医師、看護師・准看護師・歯科衛生士のいずれかの医療資格で、国際ライセンスはその代わりになるものではありません。
つまり、国際ライセンスは「医療資格+技術の学習証明(追加価値)」として捉えるとイメージしやすいでしょう。 -
日本と海外で役割が異なる理由
日本と海外でライセンスの役割が異なる大きな理由としては、施術者の資格の有無が関係します。また、国際ライセンスの価値は、活動する国や地域の制度によっても大きく変わります。
日本では、アートメイクは厚生労働省の見解により「医療行為(医療法第17条)または医業類似行為」に該当します。そのため施術できるのは医師・歯科医師、または医師の管理下にある看護師・准看護師・歯科衛生士などの医療従事者のみ。
つまり、どれほど国際ライセンスを持っていても、医療資格がなければ施術はできません。- 美容サービスとして扱われ、民間資格で活動できる地域
- 州ごとに独自の登録制度を設けている国
- 医療行為として日本以上に厳格に規制している地域
など、ルールがバラバラです。
このように、国際ライセンスは「どこで働くか」 によって役割や活かし方が大きく変わるため、取得を検討する際は自分のキャリアプランと照らし合わせて考えることが大切です。
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初心者が誤解しやすい3つのポイント
国際ライセンスを調べていると、特に初心者の方が誤解しやすい点がいくつかあります。 ここでは代表的な3つを整理します。
- 「国際ライセンス=どこでも施術できる」わけではない
国際資格があっても、各国の法律を満たしていなければ施術はできません。
特に日本では、医療資格が必須であり、国際ライセンスは法的な代替にはなりません。 - 「医療資格がなくても、国際ライセンスがあれば施術できる」わけではない
国際資格があっても、各国の法律を満たしていなければ施術はできません。
特に日本では、医療資格が必須であり、国際ライセンスは法的な代替にはなりません。 - 「国際ライセンスならどれでも同じ価値」ではない
認定団体によって、カリキュラム内容・実技時間・評価基準に大きな差があります。
“国際的”という言葉だけで選ばず、あなたに必要な学習内容が得られるかを軸に判断することが大切です。
- 「国際ライセンス=どこでも施術できる」わけではない
国際ライセンスは本当に必要?資格の活かし方と限界

国際ライセンスは魅力的に見える一方で、「日本で働くのに必要なの?」「持っていないと損する?」といった疑問を持つ方がとても多い資格でもあります。
ここでは、日本での国際ライセンスの位置づけと、実際にどの場面で活かせるのかを分かりやすく整理していきます。
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医療資格の有無で変わる“できること”と“できないこと”
日本では、アートメイクは厚生労働省の見解により「医療行為」とされています。そのため、皮膚に針で色素を入れる行為ができるのは、
- 医師や歯科医師
- その管理下で施術を行う看護師や准看護師、歯科衛生士などの医療従事者
に限られています。
したがって、- 医療資格あり(医師・看護師など)
→ 施術可能。
→ 国際ライセンスは“技術や知識を追加で証明する”資格として有用。 - 医療資格なし
→ 国際ライセンスを取得しても、日本国内で施術することはできない。
このように、国際ライセンスは「技術レベルの証明」ではあっても、“施術の許可証ではない” という点は押さえておきたい大切なポイントです。
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日本で不要でも学ぶ価値があるケース
日本では施術資格として必須ではない国際ライセンスですが、以下のようなケースでは十分に価値があります。
- 海外基準のデザインや色彩理論を学びたい場合
海外のアートメイク教育は歴史が長く、色素学・骨格デザイン・眉のストローク法など体系化されている講座も多くあります。 - 医療アートメイクとして“客観的な技術証明”が欲しい場合
医療資格だけでなく、第三者の認定が加わることで、お客様への説明にも説得力が増し、技術の証明としても活かしやすくなります。 - 海外研修や国際大会への参加を視野に入れている場合
国際ライセンスを取得していることで、国際的な講習やセミナーの申込み条件を満たすケースがあります。
つまり、「施術の必須条件ではない」一方で、学習の質を高めたい人、将来の可能性を広げたい人にとっては大きな価値を持つ資格といえます。
- 海外基準のデザインや色彩理論を学びたい場合
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取らなくてもいい人の特徴と向いている進路
一方で、国際ライセンスを取らなくてもいい人は、日本国内でのみ施術を予定している人や、医療アートメイクの学び方がまだ定まっていない人などです。
ここでは、無理に取得しなくてもいいケースを整理しておきます。- 日本国内の医療機関で経験を積む予定の医療従事者
多くのクリニックでは、院内研修・マニュアル・先輩スタッフからの技術指導が充実しています。
国内で医療アートメイクのディプロマを取得した後、まずは院内教育で経験を積みたいタイプの方は、国際ライセンスを急いで取る必要はありません。 - 将来、海外で働く予定がない人
国際ライセンスの価値の多くは「海外基準の学び」や「国際的な活動」に紐付いています。
国内のみでキャリアを積む場合、医療資格の維持・技術力・症例数アップのほうが重要度は高くなります。 - 自分の学び方や目的がまだ定まっていない人
国際ライセンスの講座は、費用も実技内容もバラつきが大きいのが特徴です。
目的が不明確なまま取得してしまうと、「取ったけれど活かせなかった」というケースも少なくありません。
まとめると、国際ライセンスは
「海外を含めてキャリアを広げたい人」
「客観的な技術証明がほしい人」に向いている資格であり、“全員に必須”というものではないという立ち位置になります。
- 日本国内の医療機関で経験を積む予定の医療従事者
初心者が迷わない「ライセンスと講座」の選び方

国際ライセンスを取得できる講座は多くありますが、初心者の方ほど「名前で選んで良いの?」「どこが本当は良いの?」と迷いやすい部分です。
ここでは、資格名や団体の知名度より大切な、“本当に技術につながる選び方”をわかりやすく整理していきます。
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認定団体の違いより大切な“評価されるスキル”とは
国際ライセンスというと、つい「団体名」や「資格名の響き」に目が行きがちですが、実際に技術者として評価されるのは「どんなスキルを、どのレベルまで習得しているか」という点です。
医療アートメイクの現場で特に大切なのは、たとえば次のようなスキルです。
- 眉・リップ・アイラインなど各施術のデザイン力
- 色素学に基づいた色選びの知識
- 衛生管理・感染対策など、安全性に関わる知識
- ドローイング力・ストローク技術といった実技力
つまり、資格名だけで判断するのではなく、
「その講座で、どんなスキルがどこまで学べるのか」
「自分の目標やなりたい姿に合っている内容かどうか」
を基準に選ぶことが、後悔しない講座選びにつながります。 -
講師の経歴で見るべき意外なチェックポイント
講座選びで見落とされやすいのが、「教えてくれる講師が、どんな現場でどんな経験を積んできたか」という視点です。
チェックしておきたいポイントは、以下の3つです。
- 施術者としての経験値(症例数・得意分野)
症例が多い=必ずしも上手い、とは限りませんが、さまざまな肌質・年齢・デザインに対応してきた経験値は、学べる内容の厚みに直結します。 - 医療機関での実務経験があるか
医療アートメイクの場合、医療機関での実務経験が多くあり、医療現場での衛生管理を理解している講師ほど、実践的な指導が期待できます。 - 教えることへの専門性(指導実績やカリキュラム構築能力)
技術者として優秀でも、「教えるプロ」として優れているとは限りません。指導実績や、分かりやすいカリキュラム設計がされているかも重要なチェックポイントです。
講師は講座の価値そのものと言ってもいい存在。
「どの資格か」だけでなく、「誰から学ぶか」を意識して選ぶことが、上達への近道になります。 - 施術者としての経験値(症例数・得意分野)
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受講前に確認したい不安を解消するポイント
初めて医療アートメイクの講座を選ぶとき、多くの方が「実技の練習量」や「卒業後のサポートの有無」「費用面での疑問」など同じような不安を抱えます。特に次の3点は事前に確認しておくと安心です。
- 実技の練習量はどれだけ確保されているか
座学ばかりで実技が少ない講座では、実践的な施術の技術が身につきにくくなります。
モデル施術の有無・練習回数・講師が手を添えて教えてくれるかなど、具体的に確認しましょう。 - 卒業後のサポートがあるか
医療アートメイクは「学んで終わり」ではなく、卒業後してからがスタートです。問い合わせ対応・技術チェック・追加講習・症例相談など、フォロー体制が整っている講座ほど、安心してステップアップできます。 - 費用と期間が、自分の今の段階に合っているか
初心者の方は、将来の目的や方向性が定まらないまま高額な講座を受けてしまうと、負担だけが大きくなることもあります。
費用の内訳や、どれくらいの期間でどれくらいの技術を習得できるのかを、落ち着いて確認しておくことが大切です。
- 実技の練習量はどれだけ確保されているか
実技が伸びる・続けられる学び方のコツ

医療アートメイクは、知識よりも“手が覚えるまでの練習量” が技術の差に直結します。
とはいえ、ただ数をこなすだけでは上達につながりません。
ここでは、初心者でも無理なく続けながら、着実に技術を伸ばすための学び方をわかりやすくまとめました。
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自主練の進め方とモデル探しのマナー
自主練習で大切なのは、「正しいフォームで、同じ動作を繰り返し練習すること」です。
まずは人工皮膚(ラテックスなど)を使いながら、
- ラインの軌道
- 針の角度
- ストロークの長さ・速度・リズム
といった基礎動作を丁寧に反復し、手のブレをなくしていきます。
この“基礎の積み重ね”が後の実技の安定にそのままつながります。モデル探しでは、マナーと信頼が何より大切です。
たとえば、
- 依頼する側が一方的に要望を押しつけない
- 施術内容・リスク・所要時間を丁寧に説明する
- 個人情報・写真の扱いに細心の注意を払う
など、協力してもらう方が不安なく参加できる環境づくりが必須です。
施術者として誠実な姿勢は、技術以上に“信頼の土台”になる大切なポイントです。
初期からここを意識しておくと、のちの評価や症例協力者にも恵まれやすくなります。 -
デザイン・色の基礎力を底上げする練習法
医療アートメイクの美しさを左右するのは、技術だけではありません。
デザイン力と色の理解 が加わることで、仕上がりの質が大きく変わります。初心者がまず意識したいポイントは次の3つです。
- 黄金比だけに頼らない“顔全体のバランス感覚”
眉やリップは単体で見るのではなく、顔の骨格・筋肉の動き・表情との調和が大切です。
普段から“人の顔のどこに魅力があるか”を観察して言語化してみると、デザインの引き出しが自然と増えていきます。 - 色素の知識を深め、退色の過程までイメージする
色素は時間とともに変化するため、「イエロー/レッド/ブルー」などの基礎色のバランスや、肌との相性を理解しておくことが重要。
「どの色が、どんな肌に、どのように残るのか」を考えられるようになると、より自然で“似合う色”が選べるようになります。 - トレース・模写練習で“手の迷い(線のブレ)”をなくす
紙やタブレットに眉の形をトレースするだけでも、線の安定感は大きく変わります。
デッサンは医療アートメイク全体の基礎的な土台のようなもの。
コツコツ続けるほど技術の伸びが加速しやすくなります。
- 黄金比だけに頼らない“顔全体のバランス感覚”
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ライセンスより優先したい衛生管理・安全性の身につけ方
医療アートメイクは衛生管理ができて初めて成立する技術。
特に初心者のうちは、技術に意識が向きすぎて衛生管理や器具管理がおろそかになりがちです。
気をつけたいポイントは次の3つです。- “清潔操作”を毎回のルーティンにする
どんなに技術が上手でも、感染予防ができていなければ施術は成り立ちません。
消毒、グローブ交換、針の扱いなどは、“作業”ではなく“習慣”として体に覚えさせることが大切です。 - 使い捨てと再利用の境界を明確にする
「これは使い回してもいい?」「これは捨てる?」と迷う状況はトラブルのもとになります。
クリニックや講師の指示に従い、扱いを明確に区別しておきましょう。 - 片付けと準備を「技術の一部」と考える
施術スペースの整え方、器具の配置、動作の順番は施術のスムーズさに直結します。
初心者のうちは時間がかかって当然なので、焦らず「整える力」も技術のひとつとして身につけていきましょう。
- “清潔操作”を毎回のルーティンにする
費用・期間・キャリアのリアルをやさしく整理

医療アートメイクの講習を検討するとき、多くの方がまず気になるのが 「費用」「期間」「続けられるかどうか」 という現実的な部分です。
ここでは、初心者の方が判断しやすいように、一般的な目安と無理のない進め方をわかりやすくまとめました。
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受講料・教材費・機材費の“総額イメージ”
医療アートメイクの講習を受けるとき、講座によって費用は大きく異なりますが、 一般的には以下のような構成になります。
- 受講料(座学+実技):20〜60万円前後
- 教材費(テキスト・色素・人工皮膚など):1〜5万円程度
- 機材費(マシン・針・衛生用品):3〜10万円程度
合計で おおよそ30〜70万円ほど がひとつの目安です。
ただし、- モデル施術の回数
- 使用機材の種類
- フォロー期間の長さ
など、講座に含まれる内容によって“実際の価値”は大きく変わります。
費用を判断するときは、「高いか安いか」よりも、内容と目的が合っているか が大切です。
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働きながらでも続けられる学び方の例
医療アートメイクの学習は、フルタイムで働きながら取り組む方も多い分野です。 無理なく進めるためには、以下のようなスタイルがおすすめです。
- 平日は短時間の練習に割り切る
1日15〜30分でも、人工皮膚での線の練習を続けるだけで手の安定が変わります。
「短くても毎日」を意識すると、上達が早くなります。 - 休日に“まとめて実技”を入れる
モデル施術や講師へのチェックは、週末やまとまった時間が確保できる日に。
オンオフを分けることで継続しやすくなります。 - 移動時間を“インプットの時間”に使う
色素学やデザイン理論は音声講義やスマホ学習と相性抜群。
すきま時間の積み重ねが理解を深めます。
完璧にやろうとするより、生活に自然に溶け込む学び方 が継続のコツです。
- 平日は短時間の練習に割り切る
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卒業後の現場デビューまでの道筋と注意点
医療アートメイク講習の卒業はゴールではなく、ここからがスタートです。
実際の現場デビューには、以下のステップを踏むことが一般的です。- 卒業後のフォローアップで技術を安定させる
講師チェックや追加練習で、線の安定・色の理解が深まり、施術精度が向上します。 - 医療機関での実務経験を積む
医療アートメイクをお客様に施術する、アーティストとしてデビューするまでには、クリニックでの研修や症例経験が“実務の基盤”になります。 - 症例を重ねながら“得意分野”を確立する
眉・リップ・アイラインなど、施術者によって“得意領域”が異なります。
症例を積むほど方向性が見え、自分らしいキャリアを築きやすくなります。
医療アートメイクスクールを卒業しただけで、すぐに仕事になるわけではありませんが、丁寧な練習と現場経験を積み重ねれば、確かな技術として大きく成長していきます。
- 卒業後のフォローアップで技術を安定させる
まとめ
医療アートメイクの国際ライセンスは、すべての人に必須の資格ではありません。
ただし、海外基準の技術を学びたい場合 や、客観的な技術証明がほしい場合 には、大きな価値を持つ選択肢になります。
一方で、日本で医療アートメイクを提供するには、医師・歯科医師・看護師・准看護師・歯科衛生士などの医療資格が不可欠である点は変わりません。
大切なのは
「自分はどんな働き方をしたいのか」
「どのレベルまで技術を深めたいのか」
という軸を持って講座や学び方を選ぶことです。
焦らず、自分のペースで基礎を積み重ねていけば、必ず将来の選択肢は広がっていきます。
医療アートメイクスクール選びで迷っている方は、IMAAアートメイクスクールにご相談ください。

