- 基礎知識
皮膚科学の視点から見た医療アートメイクとは
この記事では、皮膚の視点からみた医療アートメイクを詳しく説明します。
医療アートメイクの施術を検討しているけど、どの様な施術方法でリスクやダウンタイムはないのか等、不安を抱えている方がいるかもしれません。
施術前に施術方法やリスク等を知ることで、安心して施術を受けることができます。
医療アートメイクの施術を検討している方は確認しておきましょう。
皮膚科学から見た医療アートメイクの安心と安全
医療アートメイクは、日常生活が快適になるだけではなく、より自分を魅力的に見せることができる医療美容技術です。
昔からある技術ではありますが、安全性やリスクが気になる方も多いかと思います。
色素を皮膚に入れる施術なので、皮膚の構造も知っておくと安心です。
皮膚科学の視点から、医療アートメイクについて学んでいきましょう。
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皮膚の仕組みを知ろう
皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層で成り立っています。
表皮は約0.2㎜の目に見える1番外側の部分で、保護壁として外界の様々な刺激を身体の部分に伝えないしくみになっています。
その中でも1番下の層にある基底層は、0.1㎛の薄くて繊細な膜です。表皮の生まれ変わり(ターンオーバー)を順調に維持するための情報伝達をしたり、表皮と真皮の間の栄養物、老廃物などの移動の調節に関わっており、表皮と真皮を接着させる役割があります。
また、病原菌などの侵入を防ぐ役割や、紫外線から体を守る色素(メラニン)が合成されています。表皮の下にある真皮層は約1.8㎜の層で、皮膚のハリや弾力を保つ中心的な部分になり、真皮全体の約70%はコラーゲンという繊維が占めています。
真皮の下にある皮下組織は、皮膚と筋肉・骨との間にある部分で、脂肪をつくり蓄える働きがあります。身体全体のクッションの様な役割があり、血管等もここにあります。 -
医療アートメイクの色が入る場所とは
医療アートメイクの色素を入れていくのは、表皮の1番下の層である基底層から真皮上層です。そのため、肌のターンオーバーに関わるため、現在の医療アートメイクは2回以上の施術回数が必要で、数年で退色してしまうのです。
ターンオーバーは加齢により基底細胞の機能が低下することによる乱れや、紫外線や肌荒れにより早く肌を回復しようとサイクルが早まるので、退色するのみ個人差があり医療アートメイクの施術後はアフターケアが大切なのです。 -
皮膚への影響とリスクについて
医療アートメイクは、針を使用し皮膚に色素を入れる施術でありリスクもあります。
リスクとしては、発赤や腫脹、内出血、痒み、ひりつき、痛み等が出る可能性があります。現在の医療アートメイクは施術直後から自然な仕上がりが流行っていますが、定着よりも1週間程は少し濃く感じる方が多いです。そこから瘡蓋ができない方もいますが、瘡蓋ができ剥がれ落ちた状態が定着になります。そのため、1週間程はダウンタイムがあると思っておくと良いでしょう。
施術前に医療アートメイクのリスクや経過を理解しておくことで、不安なく施術することができます。 -
使用される色素とその安全性について
医療アートメイクで使用される色素は、様々なメーカーがあり、安全性が高く肌に注入しても問題ないように開発されています。色素には大きく分けて、無機顔料と有機顔料の2種類があり、それぞれメリットデメリットがあります。
無機顔料は安全性が高く、金属アレルギー以外のアレルギー反応のリスクが比較的低いです。デメリットは、マットな仕上がりになってしまう傾向があります。
有機顔料は、発色が良く、鮮やかな色調を作り出すのに適しています。
色素の種類や特徴はメーカーによりとても豊富です。お客様の希望の仕上がりに応じて、アーティストと相談して決めていきます。 -
医療アートメイクによるアレルギーとその対策
医療アートメイクを施術検討している方で、まず心配になるのは「金属アレルギーがあっても施術が可能なのか?」ということではないでしょうか。
医療アートメイクに使用されている色素には微量に金属が含まれています。メーカーにより含有量はそれぞれですが、基準を満たし許可された色素は、金属含有量が非常に少なく、安全面で特に問題はないとされています。
医療アートメイクをメニューとして置いているクリニックは、パッチテストやスクラッチテストのアレルギー検査を事前に受けれるところがほとんどです。
もし金属アレルギーがあり心配な方は、施術前に受けておくと安心でしょう。
医療アートメイクの効果と持続期間について
医療アートメイクは、年月の経過でターンオーバーにより薄くなってくることが分かりました。持続性は個人差があり、お肌の状態や定着までのアフターケアにより変わってきます。
ここでは、どうすれば医療アートメイクの効果がより長持ちするのか、なぜリタッチが必要になるのか、さらには持続期間を長くするためにできるケア方法について説明します。
医療アートメイクの効果をより長く楽しむために、学んでいきましょう。
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皮膚構造から見る医療アートメイクのリタッチが必要な理由
前述でお伝えしたとおり、医療アートメイクの色素は、基底層〜真皮上層に入れていくためターンオーバーの働きにより、時間経過とともに退色していくことが分かりました。
そのため、医療アートメイクの持続性を保つには、退色してきたと思ったタイミングで、リタッチを行う必要があります。
リタッチの頻度はターンオーバーの早さや生活習慣、肌質等個人により様々ですが、一般的に1〜2年でリタッチする方が多いです。 -
効果を長く保つための要因
医療アートメイクの効果を長く保つには、施術後のアフターケアやダウンタイム中の過ごし方がとても大切です。
施術直後から1週間程は、施術部位は傷になっている状態です。
まだ色素が肌に定着していない状態になるので、温泉やサウナ等代謝が上がる行為をしたり、紫外線に当たるなどすると色素が退色したり変色する可能性があります。
また、化粧品やスキンケアアイテムも施術直後は影響しやすく、アルコール成分が含まれるものや強いピーリング作用のあるものは避けた方が無難です。
施術後のダウンタイムの過ごし方や注意点を知っておくことで、施術後も安心して医療アートメイクを長く楽しむことができます。
自分に合った医療アートメイクを見つけるために
自分の肌質やライフスタイルに合った医療アートメイクを選ぶことで、満足のいく医療アートメイクを楽しむことができます。
ここでは、初めて医療アートメイクを受ける際にカウンセリングで確認すべきポイントや、理想のデザインを見つけるためのコツをお伝えします。
信頼できる施術者としっかりコミュニケーションをとることで、納得のいく医療アートメイクが叶いやすくなります。
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カウンセリングで確認しておきたいポイント
初めての医療アートメイクは、疑問点や不安がたくさんあるかと思います。
カウンセリングを受ける際に、疑問点や不安点を解消し、納得してから施術に臨むことで、安心して施術を受けることができます。 希望のデザインや色を伝えた上で、自分に合ったデザインや色味についても相談しましょう。
また、施術後に担当の施術者よりダウンタイムの過ごし方や、リタッチの頻度などの説明がありますが、疑問点や不安点がある場合は、その時点で質問して不安を取り除きましょう。
肌タイプ別に見る色素の定着度
医療アートメイクをする上で、色素がどれだけ長持ちするかは肌質も大きく関係します。
それぞれの肌質に合ったケアを取り入れることで、持続性を高め、長く医療アートメイクを楽しむことができます。
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乾燥肌の場合
乾燥肌の方は、皮膚の水分が少ないため、色素が定着しにくい傾向にあります。
表皮のターンオーバーが早まり、色素が早く薄れてしまうことがあるのです。
対策として、保湿をしっかり行うことが重要です。
特に施術後は、肌に優しい保湿剤を使い、乾燥を防ぐケアを心掛けましょう。また、化粧水や乳液などを使って、普段から肌を潤いで満たしておくと、色素の持続性が向上します。
乾燥が気になる冬場やエアコンの効いた環境では、さらに保湿を強化することをおすすめします。こうしたケアを続けることで、色素が定着しやすく、医療アートメイクを長持ちさせることができます。 -
脂性肌の場合
脂性肌の方は皮脂分泌が多く、色素が薄れるスピードも速くなる傾向にあります。
皮脂によって色素が滲んでしまったり、色が均一に保てなかったりするため、医療アートメイクの持続性を高めるには工夫が必要です。
まず、施術後のケアでは、余分な皮脂を落とすことがポイントです。ただし、過度に洗顔すると逆に皮脂分泌が活発になるため、適度な回数で優しく洗うよう心掛けましょう。また、日中のテカリを防ぐために、皮脂吸収シートや化粧直しを活用すると、医療アートメイクが持ちやすくなります。
脂性肌の方に適したスキンケアを取り入れることで、医療アートメイクの持続期間がさらに延びるでしょう。 -
混合肌の場合
混合肌の方は、Tゾーンが脂っぽく、Uゾーンは乾燥しやすいといった特徴があり、部位によって色素の定着度が異なります。
脂性の部分は色が早く薄れ、乾燥する部分では色素が定着しにくくなるため、それぞれに合わせたケアが必要です。まず、Tゾーンには皮脂ケアを心がけ、Uゾーンには保湿をしっかりと行うとバランスが取れます。また、施術後は、部分的にケア用品を使い分けると効果的です。たとえば、Tゾーンにはテカリ防止のパウダーを、Uゾーンにはしっとりした保湿クリームを使用するなど、肌の状態に合わせたケアを取り入れましょう。部位ごとに合ったケアを続けることで、医療アートメイクの色持ちも改善されます。
年齢による医療アートメイクの定着について
年齢によって肌の特性は変化し、医療アートメイクの色素がどのくらい持続するかにも影響を与えます。それは、ターンオーバーの変化や肌の変化が関わってきます。
ターンオーバーは、一般的に約28日間が理想的といわれており、その速度は早すぎても遅すぎても問題があります。
具体的に、皮膚の基底層の細胞分裂により新しく細胞がつくられて、形を変えながら表皮の上層である角層に到達し、垢となり剥がれ落ちます。
一般的に若い方の方が、ターンオーバーにより色素も早く薄れていきやすい傾向にあります。一方で、年齢を重ねた肌はターンオーバーが緩やかになるため、若い頃よりも色が長持ちすることが多いです。
例えば、40代以降の方であれば、しっかりとした保湿ケアが医療アートメイクの持続に役立ちます。反対に、20代・30代の方は、紫外線や摩擦から肌を守ることで、色素がより均一に持続しやすくなります。
こうした年齢ごとの肌の特性を理解し、施術後のケアを工夫することで、医療アートメイクの仕上がりが美しく長持ちします。年齢に応じた肌の変化を知り、ライフステージに合った医療アートメイクの楽しみ方を見つけていきましょう。
まとめ
医療アートメイクは、日常を豊かにして自分らしい美しさを引き出してくれる美容医療技術です。
専用の針を使用して、お肌に直接色素を入れる施術であるため、リスクや副作用について十分理解することが大切です。また、アフターケアの重要性を理解する事で、長く美しい医療アートメイクを楽しむことができます。
よくある質問
- Q.医療アートメイクは痛いですか?
- A.痛みの感じ方には個人差がありますが、施術前に麻酔を使用し疼痛コントロールをしていきます。施術中も痛みがある場合は、麻酔の追加が可能なので、担当の施術者に伝えましょう。
- Q.医療アートメイク後すぐに化粧できますか?
- A.施術後〜1週間程は、施術部位は傷になっている状態です。施術部位にメイクをすることで、感染リスクや定着不良も考えられるため、お化粧は施術後1週間後からにしましょう。
- Q.どのくらいの頻度でリタッチが必要ですか?
- A.施術した技法や個人の肌質や生活習慣にもよりますが、1年〜3年以内に色素が薄くなった部分のリタッチをされる方が多いです。
- Q.アートメイクの施術を受けられない人はいますか?
- A.妊娠中や授乳中は、免疫機能が低下していたり、胎児への影響や施術が長時間であること、ホルモンバランスの影響により痛みが感じやすい等で、施術を受け付けていないクリニックが多いです。また、重度の金属アレルギーや重度のケロイド体質、抗血小板薬を服用している方も注意が必要です。施術を検討している該当の方は、主治医に確認しましょう。