
- 基礎知識
医療アートメイクは妊娠中にしてもいいの?知っておきたいリスクと安全な眉のケア方法
「眉を整えてすっぴんでも自信を持ちたい」「毎日のメイク時間を少しでも短くしたい」と思って、医療アートメイクに関心を持つママも少なくありません。しかしながら、妊娠中の医療アートメイクは母体や赤ちゃんに負担をかけてしまう可能性があり、避けるべきとされています。
そこで本記事では、妊娠中に医療アートメイクをおすすめできない医学的な理由やリスクに加えて、安心してキレイを保てる母子ともに負担ゼロの眉ケア法をご紹介。ママと赤ちゃんの安全を第一に、無理なくナチュラル美眉を叶えるためのヒントを、ぜひ参考にしてください。
このコラムを読んでわかること
・医療アートメイクの色素は浅い部分に入りますが、妊娠中の安全性データは十分ではないため、多くのクリニックでは妊娠中の施術を控えるよう勧めています。
・妊娠中は肌が敏感になりやすく、赤みやかゆみ、色素の定着不良などが起こる可能性があります。免疫力も低下しているため感染症のリスクも高まります。
・妊娠中は医療アートメイクの代わりに、パウダータイプのアイブロウや眉マスカラで自然に整えるのがおすすめです。眉ティントを使う場合は必ずパッチテストを。ワセリンなどで保湿ケアをして肌への刺激を減らしましょう。
・医療アートメイクを再開できるのは、産後3〜6か月以降が目安です。悪露が完全に止まり、体調が安定してからが安心です。必ず主治医に相談しましょう。
- 1. 妊娠中の医療アートメイクは本当に大丈夫?注意すべきポイントとは
- 2. 妊娠中の医療アートメイクにともなうリスク
- 3. 母子ともに負担ゼロ!妊娠中でもできる安全な眉ケア法
- 4. 産後はいつから医療アートメイクできる?再開の目安と注意点
妊娠中の医療アートメイクは本当に大丈夫?注意すべきポイントとは

眉やアイラインを整える医療アートメイクは人気の施術ですが、妊娠中に受けても本当に安心なのか気になる方も多いのではないでしょうか。まずは、医療アートメイクを受ける前に知っておきたい注意点を解説していきます。医療アートメイクを検討している妊婦さんは、ぜひ参考にしてください。
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ママとお腹の赤ちゃんに影響する可能性がある
妊娠中に医療アートメイクを検討しているママさんにとって、一番気になるのは「赤ちゃんに影響はないの?」という点ではないでしょうか。
医療アートメイクで使用される色素は、皮膚の表面近く(表皮深層〜真皮浅層)に入れるため、通常は血液中に大量に流れ込むことはありません。しかし、妊娠中は体がとてもデリケートな状態になっているため、普段よりも慎重になる必要があります。
特に注意したいのは、施術時の痛みや緊張によるストレス反応です。妊娠初期は特に、強いストレスがつわりを悪化させたり、体調不良を引き起こす可能性があります。また、使用する麻酔クリームの成分についても、妊娠中は避けた方が良いものもあります。
医療アートメイクの色素が直接的に赤ちゃんに害を与えるという医学的な報告はありませんが、「100%安全」と断言できるだけのデータも報告されていません。そのため、多くのクリニックでは、妊娠中の医療アートメイクは推奨していません。
妊娠中の医療アートメイクにともなうリスク

妊娠中もきれいでいたいという気持ちがある一方で、お腹の赤ちゃんのことを第一に考えたいのがママの本音ですよね。医療アートメイクに興味があっても、「今の時期に受けて大丈夫かな?」と不安に思う方も多いはず。
実際、妊娠期間中は体の変化が大きく、普段なら問題ない施術でもママと赤ちゃんにリスクを与える可能性はあります。ここでは、なぜ妊娠中の医療アートメイクを避けた方が良いのか、その理由をお伝えします。
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赤み・かゆみ・色素沈着…妊婦さんに起こりやすい肌トラブル
妊娠中はホルモンバランスの影響で、お肌がとても敏感になります。普段使っている化粧品が急に合わなくなったり、ちょっとした刺激で赤くなってしまったりという経験はありませんか?
妊娠前には問題なかった方でも、妊娠中はアレルギー反応が起きやすくなるケースがあります。具体的には、施術した部分の赤みが長引いたり強いかゆみが出たり、色素が思ったより定着しないというリスクも考えられます。
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麻酔薬が及ぼす赤ちゃんへの影響
医療アートメイクで使用する麻酔クリームは少量とはいえ、胎児への影響を完全に否定できません。この麻酔クリームにはリドカインやプリロカインが配合されており、医療アートメイクだけでなく脱毛や小さな皮膚手術でも世界中で広く使われています。
特に高濃度のリドカインは、胎盤を通過して母体から胎児へ届きやすい特徴があります。このように胎児に届く可能性があるにもかかわらず、医療アートメイクで使う局所麻酔薬が赤ちゃんにどう影響するかの研究は十分ではありません。
「少量だから大丈夫だろう」という曖昧な判断よりも、「影響が不明だからこそ避けておく」という慎重な選択が重要です。
リドカイン溶液を皮膚や粘膜に直接塗布して、その部位を麻痺させることもある(表面麻酔)[8]。
引用:Wikipedia リドカインリドカインと組み合わせて皮膚麻酔の外用剤(リドカイン/プリロカイン(英語版)(EMLA))として、よく使用される。
引用:Wikipedia プリロカイン -
感染症リスクと免疫力低下時の危険性
妊娠中は赤ちゃんを守るために体の免疫システムが変化し、ママの免疫力が普段より低下気味になります。これは自然なことですが、感染症にかかりやすい状態ともいえます。
医療アートメイクは皮膚に針を刺す施術のため、どんなに清潔な環境で行っても、わずかながら細菌感染のリスクがゼロではありません。免疫力が低下している妊娠中は、このような感染症リスクがより高くなってしまいます。
母子ともに負担ゼロ!妊娠中でもできる安全な眉ケア法

「医療アートメイクは控えた方がいいのは分かったけど、眉毛がボサボサなのも気になる…」
そのようなママさんも多いですよね。しかし、妊娠中でも安心してできる眉ケア方法はたくさんあります。
ここでは、お肌に優しくて時短もできる、ママに嬉しい眉ケアテクニックをご紹介。赤ちゃんにもママにも負担をかけずに、素敵な眉を保つ方法を一緒にみていきましょう。
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肌にやさしい!刺激を抑えたアイブロウメイク
妊娠中の敏感なお肌には、できるだけ刺激の少ないアイブロウアイテムを選びましょう。おすすめは、ふんわりとした質感のパウダータイプのアイブロウです。ペンシルタイプより肌への摩擦が少なく、自然な仕上がりになります。
色選びも大切なポイント。妊娠中は肌色が変わりやすいので、普段より少し明るめの色を選ぶと失敗しにくいでしょう。
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時短&ナチュラル仕上げ!眉ティント・眉マスカラの使い分け術
忙しいママには、眉ティントがとっても便利です。夜寝る前に塗って翌朝剥がすだけで、2〜3日は自然な眉色をキープできます。ただし、妊娠中は肌が敏感なので、まずは目立たない部分でパッチテストを行ってから使用しましょう。
眉マスカラは、さっと一塗りするだけで眉毛に立体感と色味を与えてくれる優れものです。特に眉毛が薄い方や、白髪が気になり始めた方におすすめ。透明タイプなら、どんな髪色にも合わせやすく失敗知らずです。
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自宅で簡単!眉トリートメント&保湿ケア方法
妊娠中はホルモンの影響で眉毛が抜けやすくなったり、毛質が変わったりすることがあります。でも、毎日の簡単なケアで健康的な眉毛を育てることは可能です。
まずは、眉毛専用の美容液やオイルを使った保湿ケアから始めましょう。ワセリンやホホバオイルなど、妊娠中でも安心して使える天然由来の保湿剤がおすすめです。綿棒に少量取って、眉毛の流れに沿って優しくなじませることがポイントです。
産後はいつから医療アートメイクできる?再開の目安と注意点

産後すぐは体がまだ完全に回復していない状態ですが、「いつからなら安全に施術を受けられるの?」「注意すべきことは?」といった疑問の答えは知っておきたいですよね。最後に、焦らずママと赤ちゃんの健康を第一に考えた再開のタイミングをみていきましょう。
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産後すぐはNG!再開できる時期の目安を解説
産後の体は、見た目には元気そうに見えてもまだ回復途中です。1ヶ月後以降より施術予約可能というクリニックもありますが、産後3〜6ヶ月以降がより良いでしょう。
まず重要なのが、悪露が完全に止まっていることです。悪露が続いている間は、まだ体内で回復が進んでいる証拠。この時期に施術を受けると、感染症のリスクが高まってしまいます。
また、授乳中の場合は特に慎重になる必要があります。麻酔薬が母乳を通じて赤ちゃんに影響を与える可能性があるためです。帝王切開で出産された方は、傷の回復状況も考慮して、主治医と相談することをおすすめします。
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再開前に確認すべき3つの安全チェックポイント
医療アートメイクの施術を受ける前には、いくつかの大切なポイントがあります。特に産後や授乳中のママは、体調やスケジュールに配慮することが重要です。ここでは、押さえておきたい3つのポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。
体調が安定している日を選ぶ
産後の疲れが残っていたり、睡眠不足が続いていたりする状態での施術は、思わぬトラブルの原因になりかねません。施術を受ける日は、体調が万全で「最近調子がいいな」と感じる日が続いてからの予約がおすすめです。
授乳のスケジュールを調整する
授乳中のママは、施術時間と授乳時間が重ならないよう事前に調整しましょう。施術中は数時間動けないため、ミルクを準備したり、家族に赤ちゃんのお世話をお願いしたりするなど、周囲のサポートを整えておくと安心です。
アフターケアの時間を確保する
施術後は、患部を清潔に保ち丁寧にケアする時間が必要です。小さな赤ちゃんのお世話で忙しい中でも、1日数回のケア時間を確保できるかを事前に確認しておきましょう。しっかり準備しておけば、安心して施術が受けられるでしょう。
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再開をスムーズにするための準備とカウンセリングのコツ
久しぶりの施術を成功させるためには、事前の準備がとても大切です。特に産後は生活スタイルが大きく変わっているので、妊娠前とは違った視点でプランを立てる必要があります。
カウンセリングでは、現在の生活リズムや育児状況を正直に伝えましょう。「夜中の授乳で寝不足気味」「子どもを預けられる時間が限られている」など、遠慮せずに相談すれば、ニーズに応じた施術プランを提案してもらえるでしょう。
まとめ
大切なのは、「今すぐきれいになりたい」という気持ちよりも、「ママと赤ちゃんの安全」を最優先に考えること。妊娠期間中は体の変化が大きく、普段なら問題ない施術でもリスクが高まります。
だからといって美しくいることを諦める必要はありません。安全な眉ケア方法を取り入れることで、妊娠中も素敵な眉は保てます。したがって、産後の施術についても、焦らずに体の回復を待って、十分な準備をしてから臨みましょう。
何より大切なのは、この特別な時期をママも赤ちゃんも健康に、そして前向きに過ごすことです。
よくある質問
- Q.妊娠していても眉だけなら安全と聞きましたが本当ですか
- A.残念ながら、これは正しくありません。眉の医療アートメイクであっても、施術には麻酔薬の使用や皮膚への侵襲的な処置がともないます。妊娠中はホルモンバランスの変化で肌が敏感になっており、感染症リスクも高まるからです。そのため、「眉だけだから」と安易に考えず、出産後まで待ちましょう。
- Q.妊娠中に施術を受けた場合赤ちゃんへの影響はありますか
- A.現在のところ、妊娠中の医療アートメイクが赤ちゃんに与える具体的な影響については、十分な研究データがありません。しかし、使用される麻酔薬が胎盤を通じて赤ちゃんに届く可能性や、ママが感染症にかかった場合の治療薬の影響など、さまざまなリスクが考えられます。
- Q.出産後どのタイミングでリタッチできますか
- A.出産後のリタッチは、新規施術よりも慎重に時期を選ばなければなりません。一般的には体調が完全に安定してからをおすすめします。授乳中の場合は、使用する麻酔薬が母乳に影響しないかを必ず医師に確認しましょう。