基礎知識

医療アートメイクのリスク管理からクリニック選び、施術後のケアまで安心ガイド

医療アートメイクのリスク管理からクリニック選び、施術後のケアまで安心ガイド

医療アートメイクは、日常生活のメイクの時間を短縮し、日々のストレスを軽減する事ができる魅力的な施術です。ここ数年で、美容医療業界ではブームとなり、アートメイクアーティストを目指す看護師も年齢問わずとても増えました。
施術方法としては、針を使用し肌に色素を入れるため、感染症やアレルギー反応などのリスクが伴うことも事実です。施術前からリスクを把握し、予防や対処法を知っておくことで、安心して施術を受けることができるでしょう。

本記事では、医療アートメイクの基本情報とリスク、クリニック選びのポイントからアフターケアまで、初心者にも分かりやすく解説していきます。
正しい知識を把握して、安心して施術を受けられるように準備しておきましょう。

医療アートメイクってどんなもの?知っておきたい基本と施術の流れ

医療アートメイクってどんなもの?知っておきたい基本と施術の流れ

医療アートメイクは、眉やリップ、アイラインなどのパーツに色素を入れ、半永久的なメイク効果を実現する美容医療技術です。
最近では多忙な女性の間で「朝のメイク時間を短縮できる」として人気が高まっています。しかし、様々な技法や考え方がある医療アートメイクには、疑問も多いものです。
ここでは、医療アートメイクの基本的な知識と施術の流れを分かりやすくご紹介します。

  • 医療アートメイクの意味や種類について

    医療アートメイクは、眉、リップ、アイライン等の皮膚に専用の針を使用して色素を注入し、ナチュラルなメイク効果を持続させる美容医療技術です。
    眉の医療アートメイクには、自然な仕上がりを目指す「毛並み技法」や、メイクしたような仕上がりを目指す「パウダーグラデーション技法」があり、リップの医療アートメイクには唇全体に色味を与える「フルカラーリップ」など、様々なデザインや技法があります。
    これらのデザインを、自分のライフスタイルや好みに合わせて選ぶことができます。

    また、肌色や顔の形に合わせたデザインを選ぶことで、より自然で自分らしい仕上がりにすることができます。施術を受ける際には、希望するデザインとともに、生活スタイルや好みのメイクも施術者に伝えることで、自分にぴったりの医療アートメイクが実現します。

  • 施術の流れを分かりやすくご紹介

    医療アートメイクの施術は、まず施術担当者によるカウンセリングからスタートします。
    ここでは、自分の理想や仕上がりの希望を施術者に伝え、デザインや色を決めます。
    例えば、「仕事の関係でナチュラルな眉がいい」「リップはピンク系で健康的な色味にしたい」など、具体的な希望を伝えることで、施術後の満足度も高くなります。
    カウンセリングでデザインが決定したら、麻酔クリームを塗布し痛みのコントロールをしていきます。

    施術時間は技法にもよりますが、眉で1〜1.5時間程度、リップやアイラインで1時間程度です。部位や技法によっても異なるため、事前に施術時間の確認をしておくと良いでしょう。

医療アートメイクで気をつけたい健康リスク

医療アートメイクで気をつけたい健康リスク

医療アートメイクは、毎朝のメイクの手間を減らし、自然な美しさを保つ便利な方法ですが、施術には感染症やアレルギーのリスクが伴います。
これらのリスクを理解し、施術を受けるクリニックの衛生管理やアフターケアを確認することが、安心して医療アートメイクを施術できます。
ここでは、医療アートメイクの際に気をつけるべき健康リスクについて詳しく解説します。

  • 感染症のリスクとその原因について

    医療アートメイクは、針を使って色素を皮膚に注入するため、施術部位の傷からばい菌が入ることによる感染症のリスクが全くない訳ではありません。
    施術後から1週間は特に、プールや温泉等の感染リスクがある場所に行くことは避け、処方された軟膏を塗布して施術部位を保護するようにしましょう。
    また、安心して施術を受けるためにも、衛生管理の体制や施術後のケアについてしっかりと担当の施術者に質問し、クリニックの対応を確認することをおすすめします。

  • アレルギー反応が出ることも?対策方法

    医療アートメイクで使われる色素や麻酔は、アレルギー反応を引き起こす場合があります。
    過去に化粧品や金属、麻酔でアレルギー反応を起こした経験がある方は注意が必要です。
    アレルギー反応を起こした経験がある方や心配な方は、施術前にパッチテストをしておくと安心です。
    パッチテストは、使用する色素を自分の肌に長時間塗布して問題がないかを確認する方法です。塗布した部分に赤みや痒み、腫れなどが出ないかを確認します。

    万が一、施術後に腫れや赤みが出た場合は保冷材等で冷却し、様子をみてみましょう。症状が治まらない場合は、クリニックに連絡し対処方法をお伺いしましょう。
    安心して施術を受けるために、自分の肌質やアレルギー経験を事前に確認し、施術者に伝えるようにしましょう。

  • 安全な施術のために大切な衛生管理

    医療アートメイクを受ける際は、クリニックの衛生管理がとても重要です。
    針や色素、彫具など使用する物品が清潔でなかったり、消毒が不十分だと、感染症や肌トラブルのリスクが高まります。

    また、使用する色素や麻酔クリームの品質も衛生面で重要です。
    クリニック選びの際は、衛生基準や消毒方法についての説明を受け、自分自身が納得できるクリニックを選びましょう。

医療アートメイクで失敗しないために知っておきたいこと

医療アートメイクで自分が希望するデザインや色みでなかった場合、修正や除去をする方がお金がかかってしまいます。そうならないためにも、事前にリスクを知っておくことが大切です。
デザインの選び方や施術者の技術、事前準備が、理想の仕上がりに大きく影響します。 ここでは、失敗を防ぐためのポイントをご紹介します。

  • 失敗しやすい原因と防ぐためのコツ

    医療アートメイクでよくある失敗として、デザインが希望通りにならなかったり、色が濃すぎたり薄すぎたりするケースが挙げられます。
    原因としては、カウンセリングでの施術者とのイメージの共有が不十分であることが多いです。
    また、医療アートメイクの技術力は症例数を重ねることで向上していきます。様々な肌質や骨格に合う施術を経験してきた症例数が多い施術者を選ぶ事も失敗しないためのポイントです。

    まずは、施術前のカウンセリングで理想のデザインや色みを明確に伝えることが重要です。「自然な眉にしたい」「リップは健康的なピンクにしたい」など、具体的なイメージをしっかり共有し、必要であればイメージの症例写真を共有するとより良いです。
    信頼できるクリニックや施術者を選ぶことで、失敗のリスクを抑えることができるでしょう。

  • もしうまくいかなかったときの対処法

    医療アートメイクが希望通りに仕上がらなかった場合でも、対処法を知っておくと安心です。
    色が濃すぎたり、デザインが思っていたものと違った場合には、クリニックでの修正施術やリタッチ、レーザー除去が可能です。
    施術直後〜1週間程は仕上がりよりも濃くなるので、1週間はダウンタイムと思って様子をみましょう。時間経過とともに自然に落ち着くので、仕上がりが思ったより濃いと感じたとしても、時間をおいてから判断し、必要であればクリニックに連絡するようにしましょう。
    もし修正が必要であれば、施術者に具体的な希望を伝え、再度デザインを調整してもらいます。また、除去を考える場合には、専門のクリニックで安全に対応してもらうことが大切です。除去の症例も多く取り扱っているクリニックを選びましょう。

安心して任せられるクリニックや施術者の選び方

安心して任せられるクリニックや施術者の選び方

信頼できるクリニックと施術者を見つけることは、医療アートメイクでの失敗を防ぐための重要なステップです。
施術者の資格や経験、クリニックの口コミやレビューを確認し、自分に合った場所を選ぶことが安心して施術を受けるためのポイントです。
ここでは、理想のクリニックを選ぶ際の具体的なポイントをご紹介します。

  • 資格や経験をどうチェックすれば良いの?

    医療アートメイクの施術を安全に受けるためには、施術者の資格や経験がとても重要です。施術者がディプロマを持っているか、医療アートメイクの実績の有無を事前に確認しておくと安心です。
    多くの経験を持つ施術者であれば、顔の形や肌の色に合ったデザインを提案して、より適応のデザインや技法を提供をしてくれることが多く、理想の仕上がりを実現するためのアドバイスも豊富です。
    例えば、眉のデザインが得意な施術者やリップのカラーリングに詳しい施術者など、特定の技術に強い施術者がいるクリニックもありますので、自分の希望に合わせて選ぶことがポイントです。
    アーティスト歴や技術についてSNSやカウンセリング時に確認することで、より納得した上で施術をすることができるでしょう。

  • 口コミやレビューを上手に活用するコツ

    口コミやレビューは、実際にそのクリニックで施術を受けた人たちの感想を知るための貴重な情報源です。
    特に「仕上がりの自然さ」「施術後のケア」「スタッフの対応」など、具体的な評価を見ておくと、クリニックの雰囲気や施術の満足度が分かります。
    また、写真付きのレビューは、仕上がりのイメージが掴みやすいため、チェックするのがおすすめです。多くの人が評価しているクリニックは信頼度が高い傾向にありますが、あくまで自分に合うかどうかも大切です。
    例えば、「痛みに敏感な人への対応がしっかりしているか」「清潔な環境か」など、自分のニーズに合ったポイントを確認すると、安心して選ぶことができます。口コミやレビューは、自分にとって重要な基準に沿って見ることがコツです。

  • 施術前のカウンセリングが大切な理由

    医療アートメイクの満足度を高めるためには、施術前のカウンセリングがとても大切です。
    カウンセリングでは、仕上がりのイメージや好みのデザインをしっかりと伝えましょう。
    例えば、「自然な眉にしたい」「健康的なリップカラーを希望」など、具体的な希望や理想を話すことで、施術者もよりイメージを共有しやすくなります。

    また、カウンセリング中に過去の施術事例を見せてもらうと、施術者のデザイン傾向や技術を確認できるため安心感も増します。
    さらに、初めて医療アートメイクを受ける方は、施術後のケアやダウンタイムについての説明も受けることで、不安なく施術に臨むことが可能です。丁寧なカウンセリングを行うクリニックは、顧客満足度が高く、信頼できるところが多いため、カウンセリングに時間をかけてくれるクリニックを選ぶのがポイントです。

  • アレルギーテストをするべき理由とは

    医療アートメイクで使用する色素は、微量の金属が含まれているため、重度の金属アレルギーがある方はアレルギー反応を起こす可能性があります。心配な方は、施術前に使用する色素でパッチテストをしておくと安心です。
    アレルギーテスト方法は、肌に少量の色素を塗布し、数日間様子を見ることでアレルギーの有無を確認する方法です。アレルギー反応があると、施術後に赤みや腫れ、痒みが出てしまう可能性があるため、事前にテストを行うことでリスクを回避できます。
    安全に施術を受けるためには、クリニックでアレルギーテストを行っているか確認し、必要なテストを実施することが大切です。

施術後のケアとトラブルを防ぐためのコツ

施術後のケアとトラブルを防ぐためのコツ

医療アートメイクを綺麗に保ち、トラブルを防ぐためには施術後のアフターケアが欠かせません。
医療アートメイク直後は肌が敏感になっているため、適切なケアを行うことで色素をしっかり定着させることができます。
ここでは、施術後に気をつけたいケアやトラブルが起きた場合の対処法を詳しく解説します。

  • 施術後に気をつけたいケアのポイント

    医療アートメイクの施術後は、肌を清潔に保ち、できるだけ施術部位を触らないことが大切です。
    施術箇所に細菌が入ると、炎症や感染症のリスクが高まるため、触れる際には必ず手を洗い、清潔な状態でケアを行いましょう。
    また、施術直後は色が濃く見えることが多いですが、1週間程かけて自然な色合いに落ち着くため、濃くなったとしてもダウンタイムと思って様子をみましょう。

    紫外線に当たると色素が薄まりやすいため、外出時は日傘や帽子、サングラスで日差しを避けると良いでしょう。
    クリニックで処方された軟膏を1週間塗布することで、保湿を保ちながら色素が安定します。アフターケアを心掛けることで、医療アートメイクの美しさを長持ちさせることができます。

  • もしトラブルが起きてしまったときの対処法

    医療アートメイクの施術後、リスクとして施術部位周辺の発赤、腫れ、痒み、ひりつき等が出現する可能性があります。この様な症状が出現した場合は、冷却しながら処方された軟膏を塗布して様子をみましょう。
    1週間以上症状が持続する場合やその他のトラブルが起こった際は、施術したクリニックに連絡し、診察してもらうようにしましょう。

  • 美しさを長持ちさせるためのメンテナンス方法

    医療アートメイクは半永久的な美容技術ですが、基底層〜真皮浅層に色素を入れているので、ターンオーバーにより時間経過で色が薄れていくため定期的なメンテナンスが必要です。現在の医療アートメイクの持続期間は1〜2年程度ですが、肌の状態や生活習慣等色素が薄くなってくるスピードは人それぞれなので、色が薄くなってきたと感じた時がリタッチが必要な時期になります。

    日常的なケアとして、乾燥を防ぐために保湿クリームを使用し、紫外線対策を徹底することで色素が長持ちします。さらに、生活習慣や食生活も影響するため、バランスの良い食事や十分な睡眠を心がけることも、医療アートメイクの美しさを保つポイントです。

    自分の肌状態やライフスタイルに合わせてメンテナンスの頻度を調整することで、自然で美しい医療アートメイクを楽しみ続けることができます。

まとめ

医療アートメイクは、メイク時間を短縮し、美しさを長持ちさせるための便利な美容医療技術です。しかし、施術にはリスクが伴うため、医療アートメイクの知識やリスクの予防等を把握し、適切な対応をしてくれるクリニックを選ぶことが大切です。
施術後のケアを丁寧に行うことで、仕上がりの美しさも持続しやすくなります。
安心して医療アートメイクを楽しむために、ぜひ本記事で紹介した情報を参考に、自分にぴったりのクリニックと施術方法を見つけてください。

Q.医療アートメイクは痛いですか?
A.麻酔の効きやすさや痛みの感じやすさで個人差があります。施術中は痛みのコントロールをしながら、適宜麻酔の追加をしながら施術していくので、痛みを感じた場合は担当アーティストにお伝えしましょう。
Q.医療アートメイクはどのくらい持続しますか?
A.肌質や生活習慣などにより個人差はありますが、1~3年程持続します。
Q.施術後に日常生活に支障はありますか?
A.通常、1週間程でダウンタイムは終わりますが、施術直後~3日間程は稀に腫れや赤み、ひりつきが出現することがあります。施術後1週間程は色素の定着や変色に影響するため、過度な運動や紫外線を避ける必要があります。
Q.医療アートメイクはどのようにして除去できますか?
A.色素が残る場合、専門クリニックでレーザー治療による除去が可能です。 事前に施術者と相談しておくと安心です。
Q.医療アートメイクとタトゥーの違いは何ですか?
A.医療アートメイクは表皮層に色素を注入するため自然な仕上がりで持続期間も短く、タトゥーとは異なり除去が比較的容易です。

国際美容医療アートメイク協会が運営するアートメイクスクール
IMAA事務局 広報チーム
執筆者
IMAA事務局 広報チーム

本コラムでは、皆さんに役立つ医療アートメイクに関する情報をお届けします。基礎知識から最新のトレンド情報のみならず、医療アートメイクには不可欠な眉デザインの上手な描き方やメイクアップ方法など幅広く発信します。