基礎知識

医療アートメイク施術者になるための資格はある?施術者になれる条件について解説

医療アートメイクの世界に興味のある方は、まずは資格取得を目指そうと行動する方が少なくありません。しかし、医療アートメイク専門の資格は2022年現在では存在していないのが実情です。

とはいえ、誰でも簡単に医療アートメイク施術者になれるわけではありません。日本国内では、医師免許もしくは看護師免許を持つ有資格者のみが対象となっています。

この記事では、医療アートメイク施術者に医師と看護師が求められる理由や専門スクールなどについて解説するので参考にしてみてください。

医療アートメイク専門の資格は存在しない

2022年現在、医療アートメイク専門の資格は存在しません。一方で、医療アートメイクの知識や技術を学べる専門スクールでは、卒業認定証(ディプロマ)を発行してもらえます。

卒業認定証は、理美容師のような国家資格などではなく、医療アートメイクの施術に必要な知識と技術を身に着けた証だと認識しておきましょう。医療アートメイク専門の資格はありませんが、アートメイククリニックを開業するときや面接を受ける際に、卒業認定証があると信頼度が高まります。

なお、卒業認定証をもらうためには、講習プログラムを修了するために検定などを受けて合格しなければなりません。検定の内容や回数などは各スクールで異なるため、公式サイトなどで確認しておきましょう。

医療アートメイク施術者になるための条件とは

医療アートメイク専門の資格はありませんが、施術者になるための条件があります。それは、医師免許もしくは看護師免許を取得していることです。

医療アートメイクは、医療行為になるため無資格者は施術できません。また、看護師は医師が常駐しているクリニック以外では、施術だけでなく開業もできないとされています。

そのため、看護師免許を持っている方が医療アートメイクの仕事をするには、医師常駐のアートメイククリニックに勤めるのが一般的です。

なお、歯科医師免許を持つ方は口周り(リップアートメイク)に限り施術できます。

医療アートメイク施術に医師・看護師資格が求められる理由

医療アートメイクの施術には、医師免許もしくは看護師免許が必ず必要です。これにはさまざまな理由があり、患者様が安心して施術を受けるためには当然と言えます。

医療アートメイクの施術に、なぜ医師免許や看護師免許を求められるのか、主な3つの理由を見てみましょう。

  • 皮膚に傷を付ける施術だから

    医療アートメイクは医療行為に該当する施術であるため、医師免許もしくは看護師免許が求められています。

    まず、医療アートメイクは医療用の専用の針を使い皮膚に傷を付けて色素を注入していくものです。傷を付けるのは、タトゥーと違って皮膚の浅い部分になりますが、深さや入れ方などを見極める力が欠かせません。

  • 麻酔を使用する施術だから

    医療アートメイクは、肌に傷を付けて色素を注入するため痛みを伴います。痛みは我慢できる程度に感じる方も多いですが、個人差があるため麻酔を使用することもめずらしくありません。

    麻酔を扱えるのは、知識と技術を持った医師と看護師のみです。基本的に医療アートメイクの麻酔は、肌表面に麻酔クリームを塗るタイプの表面麻酔となりますが、痛みが強いときは注射針を使った麻酔を選択するケースもあります。

    麻酔行為は、医療行為であり、また使用する事でアレルギー症状やショックおこす可能性もある為、医師免許または看護師免許などの医療従事者免許が必要となります。

  • 医師免許がなければ機器が購入できないから

    医療アートメイクに必要な、医療用の針や色素などを購入できるのは医師免許を持つ方のみです。看護師免許では購入できません。

    そもそも、医療アートメイクで使う機材などは特殊なものとなります。取扱いには細心の注意を払う必要があり、正しく扱わなければ危険を伴うのは当然です。

    なお、医療機器の販売には規制がかけられていますが、インターネットなどでは違法販売している販売業者もいるため注意しなければなりません。必ず、届け出や許可を得ている販売業者か確認しましょう。

資格なしに医療アートメイク施術を行うと法律違反!

医療アートメイクは、医師免許もしくは看護師免許が必ず必要な医療行為です。「針を使って皮膚に色素を注入する施術は医師法が適用される」と医師法17条によって定められています。

また、医師法17条には「医師でなければ医業をなしてはならない」とも定められているにもかかわらず、無免許でアートメイクを行っているエステや個人サロンが存在しているのも事実です。

もちろん、医師免許を持っている医師が常駐していないエステや個人サロンは医師法違反とみなされ、しかるべき処罰を受ける対象になります。施術においても、正しい知識や技術を習得しているとは限らないため、患者様に危害を加えてしまう可能性もあり危険です。

医療アートメイクの施術を目指したいのであれば、医師免許もしくは看護師免許が必ず必要になると認識しておきましょう。

有資格者が医療アートメイク施術者になるまでの道のり

医師免許もしくは看護師免許を持っている、有資格者が医療アートメイク施術者になるためには、いくつかの行程を踏む必要があります。今回は、一般的な医療アートメイク施術者になるための道のりを紹介するので参考にしてみてください。

  • 医療アートメイク施術の専門スクールに入学

    これから医療アートメイク施術者を目指したい方は、医療アートメイク施術について学べる専門スクールに入学するのが一般的です。

    医療アートメイクの施術方法について学べるところは限られています。医大や看護学校などでは、医療アートメイクについて学ぶ機会はないため、専門スクールで学ぶ方法を選ぶ方が大半です。

    医療アートメイクの専門スクールのカリキュラムは、各スクールによって異なります。また、仕事をしながら学びたい方や遠方で通うのが難しい方などのニーズに合う専門スクールもあるため、条件に合うところを見つけることが大切です。

    医療アートメイク施術を学びたいと思ったら、まずは専門スクールのパンフレットなどを取り寄せて比べてみましょう。

  • 医療アートメイクに関する知識を身につける

    専門スクールでは、医療アートメイクに関する正しい知識を身につけましょう。肌と体の構造といった基礎知識はもちろん、医療アートメイクとタトゥーの違いや、医療アートメイク施術後のダウンタイムの症状と改善方法、安全な施術方法を学びます。

    初めて医療アートメイクについて学ぶ方は、基礎知識を学べるカリキュラムを組んでいる専門スクールを優先して選び、しっかり身につけましょう。

  • 医療アートメイクの施術スキルを取得する

    医療アートメイクの施術スキルも専門スクールで取得できます。実際に医療アートメイクの施術に使う専門機器を使って実習できるのは、専門スクールの特徴です。

    顏全体を見たときに、患者様の顏をもっとも美しくするためのバランスやデザインの手法なども学べます。専門スクールによっては、モデルを用意して施術する実習もあるため、より実践的なカリキュラムを希望される方におすすめです。

    最新の技術を海外から取り入れている専門スクールもあるため、興味のある方は検討してみるとよいでしょう。

  • 卒業後クリニックへ就職し実績を積み上げる

    専門スクール卒業後は、アートメイククリニックへ就職します。専門スクールを卒業する際にもらえる卒業認定証(ディプロマ)やライセンスなどは、アートメイククリニックへのアピールにもなるため、就職活動もしやすくなるでしょう。

    アートメイククリニックへ就職する際、症例写真の提示や症例数が必要になるクリニックも多いため、面接の際、写真を提示することで強いアピールになります。

    就職後は、研修などを経て実際の患者様への施術を任される流れが一般的です。専門スクールで基本的な知識と施術スキルを習得していても、患者様の顏や悩みは十人十色。

    どのような患者様にも満足してもらえるように、より多くの実績を積み上げることが大切です。

医療アートメイク施術者に求められる3つのスキル

医療アートメイクの施術者は、医師免許や看護師免許を持っていれば誰でも良いというわけではありません。

アートメイククリニックや患者様から求められている3つのスキルについても、習得できるように努めましょう。

  • コミュニケーション能力

    医療アートメイク施術者は、患者様の要望を引き出すために会話をしながら表情を読み、お客様の望むイメージを引き出し体現することが仕事になります。
    そのため、アートメイククリニックでは、患者様とのコミュニケーションも大切にしなければなりません。

    ご自分の希望を細かく伝えられる患者様なら、コミュニケーション能力はそれほど必要ないかもしれません。しかし、悩みや希望をうまく伝えられない患者様もいます。

    患者様に心から喜んでもらうためには、満足できる医療アートメイクを施すためにどのような希望を持っているのかアートメイク施術者が引き出してあげましょう。

  • デザインセンス

    医療アートメイクの眉やアイライン、リップなどのデザインセンスは非常に重要です。デザインセンスが良いと、顔の印象も良くなり患者様は理想の雰囲気に近づけます。

    通常のメイクと違って、医療アートメイクは2~3年消えることはありません。そのため、施術時の医療アートメイクのデザインセンスは磨いておく必要があるのです。

    メイクには流行りだけでなく、年齢によっても似合うデザインなどが異なります。日頃からメイクの情報収集をし、患者様のあらゆる望みに応えられるように学び続けましょう。

  • 技術力

    医療アートメイクは、就職してからが本番でもあります。患者様が満足できる医療アートメイクを施すためには、技術力を高めていかなければなりません。

    専門スクールを卒業したばかりの頃は、当然ですが施術の実績がない状態です。このような実績のない医療アートメイク施術者では、患者様も不安になってしまいます。

    数多くの施術を重ね、練習も繰り返し行うことで、技術力は高まっていくものです。先ほど解説したデザインセンスに関してあまり自信がない方は、技術を磨くことに専念するのも良いでしょう。

    技術力があれば、デザインセンスの不安もカバーできるほど患者様から信頼してもらえる医療アートメイク施術者として活躍できます。

医療アートメイク施術者の資格に関するよくある質問

  • Q.医療アートメイクの資格は何歳から取れますか?

    A.年齢制限などはありませんが、日本国内では、医師・看護師・准看護師の免許が必要です。

  • Q.医療アートメイクの資格は国家資格ですか?

    A.厚生労働省が認定するような国家資格は現在ありません。アートメイクスクールに通い、認定証や修了証を取得するのが一般的になっています。

まとめ

医療アートメイク施術者になるための、専門の資格はありません。しかし、医療行為に該当するため、医師免許もしくは看護師免許を取得している方しか医療アートメイクを施術することは出来ません。アートメイクの技術向上には、ゴールはないため、日々学び研鑽していくことが必要になります。

有資格者が医療アートメイク施術者を目指すためには、専門スクールで知識や施術スキルを身につけてから就職する流れが多くなっています。卒業する際には、卒業認定証やライセンスももらえるため、就職するときのアピールにもなるでしょう。

まずは、しっかり学べるカリキュラムを組んでいる専門スクールを探すところから始めてみてくださいね。

国際美容医療アートメイク協会が運営するアートメイクスクール
IMAA事務局 広報チーム
執筆者
IMAA事務局 広報チーム

本コラムでは、皆さんに役立つ医療アートメイクに関する情報をお届けします。基礎知識から最新のトレンド情報のみならず、医療アートメイクには不可欠な眉デザインの上手な描き方やメイクアップ方法など幅広く発信します。