- 基礎知識
看護師免許を活かしてアートメイク施術者へ転職するメリット|施術者になるためのステップも紹介
看護師免許を持っている多くの方は、体調不良やケガなどで患者様が来院する病院に就職するのではないでしょうか?しかし、今は看護師免許を活かして美容の世界に飛び込む看護師も増えています。
医療アートメイクも、看護師免許を活かせる美容の世界のひとつです。医療アートメイクの仕事ができるのは、医師免許もしくは看護師免許を取得している方だけであるため、誰でもなれる職業ではありません。そして、看護師がアートメイク施術者に転職すると得られるメリットは魅力的なものばかりです。
この記事では、アートメイク施術者へ転職するメリットや施術者になるためのステップ、お給料などについて解説します。
医療アートメイクの施術者は医師か看護師に限定されている
医療アートメイクの施術者になるには、医師もしくは看護師の資格が必須となります。これは、医療アートメイクが医師法17条に該当し、無資格者が施術するのは法律に触れてしまうためです。
【医師法17条】
● 医師でなければ医業をしてはいけない
● 針を使って皮膚に色素を注入する施術は医師法が適用される
医療アートメイクは、アートメイク専用の医療用の針を使って皮膚に傷をつけて色素を注入します。この施術内容は医師法17条の内容に該当するため、医師免許もしくは看護師免許が必ず必要です。
さらに、看護師が医療アートメイクの仕事をする場合、医師が常駐しているアートメイククリニックでなければ施術ができません。開業に関しても医師に限られているため、看護師は医師常駐のアートメイククリニックに勤めるのが一般的です。
なかには医師のいないエステや自宅サロンで医療アートメイクを施している施術者もいますが、医師法に触れているため、しかるべき処置を受けることになります。医療アートメイクの施術者を目指す際には、医師名を明確にしているアートメイククリニックを選びましょう。
アートメイク施術者になるために看護師免許を取得する方法
看護師免許を持っていない方が、これから医療アートメイクの施術者を目指すのであれば、まずは資格を取得する必要があります。
看護師免許を取得する一般的な方法は、以下のとおりです。
● 看護大学に4年通う
● 看護短期大学もしくは看護学校に3年間通う
● 5年一貫看護師養成課程校に5年間通う
● 看護師養成所に通う
看護学校を卒業しなければ、看護師国家資格試験の受験資格を得られません。なお、5年一貫看護師養成課程校は中学を卒業してすぐに看護師を目指す学校です。
看護学校では、医療や看護などの基本的な知識や技術を学ぶだけではなく、患者様との関わり合いに必要なコミュケーションの取り方や洞察力なども磨かれます。これらは、医療アートメイクの施術者になるうえでも必要なスキルになるため、非常に学びの多い時間となるでしょう。
とはいえ、看護大学や看護学校などに通い卒業するのは想像しているよりも大変です。やる気だけではなく、学力や学校に通う時間、体力なども必要になるため、全ての方が卒業できるとも限りません。そのため、現実的には難しいと言っても過言ではないでしょう。
看護師免許以外に求められる3つのスキルとは
看護師免許を持っているからと言って、患者様に満足してもらえる医療アートメイク施術者にはなれません。看護師免許以外にも、アートメイク施術者として求められるスキルは多く、働きながら学んでいくことも多くあります。
実際に、アートメイククリニックや患者様が医療アートメイク施術者に求めているスキルを3つ見ていきましょう。
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ヒアリング力
医療アートメイクの施術者には、患者様が発する言葉や表情などから希望している施術や仕上がりを理解していく必要があります。また、患者様の気持ちを引き出していくことも大切です。
これらは、施術者のヒアリング力にかかっています。問診などでは引き出せなかった潜在的なニーズを聞き出してこそ、心から満足できる医療アートメイクの施術ができると考えておきましょう。
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デザイン力
患者様を今よりも美しく魅力を最大限に引き出すためには、技術力だけではなくデザイン力も大切です。眉やアイライン、リップラインなどは、流行の移り変わりも激しく、好みも十人十色となるため、デザイン力を高めていく必要があります。
流行りのメイクはもちろん、顔や目合うデザインや理想の雰囲気に近づけるデザインなどを常に学び身につけていきましょう。
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コミュニケーション力
患者様に満足してもらうためには、コミュニケーションをしっかり取りながら施術できるスキルも求められます。理想の雰囲気や改善したいコンプレックスなど、全ての患者様が施術者に完璧に伝えられるとは限らないため、気持ちを引き出させる力も必要となってきます。
なかには、緊張してうまく伝えられず、不安なまま施術を受けることになってしまう患者様もいるでしょう。これでは、患者様に満足してもらえません。
人との会話が苦手といった方も、患者様とはしっかりコミュニケーションが取れるように、友達や家族と練習しておきましょう。
看護師免許を活かしてアートメイク施術者になるメリット
看護師免許を活かせる職業は、内科や外科などの病院だけではありません。美容施術が行える、美容クリニックや医療脱毛クリニックなど、美容医療のジャンルにも携われます。
美容が好きな方は、通常の病院だけではなく美容医療の仕事にも目を向けてみましょう。
ももちろん、医療アートメイクも美容医療のひとつです。患者様が前向きに生活できるお手伝いができる仕事として看護師の皆さまが活躍できる場所なので転職先の候補としても注目されています。
看護師免許を活かして医療アートメイクの施術者になるメリットを3つ紹介するので、今後の仕事選びの参考にしてみてください。
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美容に関する知識が増える
医療アートメイクの患者様は、メイクがうまくできずに悩んでいる方や、すっぴんでも自信が持てるお顔を目指している方などが来院します。眉やアイライン、リップラインなどのポイントメイクは、お顔の印象を左右するものなのでより美しい仕上がりにするための知識が増えていくでしょう。
さらに、医療アートメイクは美容のための施術だけではなく、先天性の病気や事故などによるケガによってできた傷跡をカモフラージュする施術も行います。
綺麗になりたい、人目を気にせず自信を持って外に出たいと願う方は少なくありません。正しい知識により安全な施術を提供できるのは、美容医療だけと言っても過言ではありません。
アートメイククリニックは、最新かつ正確な美容知識を身につけたい方におすすめの環境です。
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技術を磨くことで評価されるためやりがいがある
医療アートメイクに興味を持つ方や実際に施術を受けている方は増えており、認知度も昔に比べると高まっているのが実情です。
それに伴い、医療アートメイクの仕事に興味を持ち就職や転職を見据えて行動している方も一定数います。とはいえ、技術力は施術者によって異なるため、全ての看護師が同じ施術を提供できるとは限りません。そのため、技術を磨けば磨くほど勤めているアートメイククリニックと患者様から評価される環境となっています。
通常の病院とは異なり、看護師が1人の施術者としてスポットライトを当てられるのはアートメイククリニックだからこそです。
技術力を認められると、毎回指名してくれる患者様も増えてきます。看護師の通常業務と同じ、もしくはそれ以上にやりがいを感じるでしょう。
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センスが磨かれて自分自身も綺麗になれる
医療アートメイクの仕事により、美容に関する知識と技術力が身につくため、自分自身も綺麗になれるきっかけが増えます。普段のメイクの技術が上がるだけではなく、勤めているアートメイククリニックで社割が適用になる場合も多いため、施術を受けやすくなるでしょう。
また、アートメイククリニックではなく総合的に施術を行っている美容クリニックは、医療アートメイク以外のメニューも豊富です。このような美容クリニックで医療アートメイクの施術者になると、割引価格や練習モデルなどでさまざまな美容メニューを受ける機会も増えるでしょう。
看護師からアートメイク施術者へ転身する3ステップ
看護師免許だけでは、医療アートメイクの施術を行うには不十分です。もちろん、クリニックに就職後にも研修や実技指導などを受けられますが、よりスムーズに医療アートメイクの施術者として活躍するためのステップを踏むことをおすすめします。
ここからは、具体的に看護師から医療アートメイクの施術者へ転身するための3ステップを紹介します。
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アートメイクスクールを探す
医療アートメイクについて専門的に学べるのが、アートメイクスクールです。現在、日本国内には数多くのアートメイクスクールが存在しています。
アートメイクスクールに通っているのは、これからアートメイク施術者を目指す方だけではありません。すでにアートメイク施術者として活躍している方が、スキルアップを目的にしているケースもあります。スクールに通って学ぶだけではなく、オンライン講義なども利用できると働きながら学びたい方は便利でしょう。カリキュラムなどもスクールによって異なるため、ニーズに合うアートメイクスクールを探してみてください。
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アートメイクスクールで知識・スキルを身につける
アートメイクスクールでは、人の皮膚や体の構造といった基本的な知識からしっかり学べます。そして、医療アートメイクの基礎から眉やアイライン、リップラインなどのデザインについても学べるため、実際にアートメイククリニックに就職した際にも役立つ知識が身につけられるでしょう。
アートメイクスクールによっては、医療アートメイクの施術で使う専用機器による実技もあります。モデルは、家族や友人に依頼したり人形だったりとアートメイクスクールによって異なるため、より実践に近い実技を希望する方は確認しておきしょう。
なお、テキストや機材などはアートメイクスクールで用意していることがほとんどです。 -
美容クリニックへ転職する
アートメイクスクールを卒業したら、ここからが本当のスタートです。希望の美容クリニックへの転職活動を始めましょう。履歴書には、アートメイクスクールを卒業した旨を忘れずに書きます。また、卒業時にもらえる認定証やライセンスなども全て書いておくと良いアピールになるので忘れないでください。
アートメイクスクールを卒業したからといって、すぐに施術者になれるわけではありません。より知識を深めスキルアップするために、何度も施術練習を行う研修期間を経てからプロとして患者様へ施術することになります。
アートメイク施術者の気になるお給料事情
アートメイク施術者は、病院の看護師よりも多くの収入を得られるケースもめずらしくありません。アートメイク施術者の初任給相場は、30~35万円程度と言われています。病院勤務のような夜勤などがないため、各種手当も含まれていません。
さらに、人気の施術者になると指名料などのインセンティブも発生するため、月給100万円以上になる方もいると言われている世界です。腕を上げていけば、クリニックと患者様からの評価が上がり稼ぎやすくなるため夢があります。
どのような就職先があるのか、実際の求人情報などを見て給料事情も把握しておくとやる気に繋がるのでおすすめです。
アートメイク施術者に関するよくある質問
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Q.医療アートメイクは看護師はダメですか?
A.医療アートメイクは医療行為となるため、医師または医師の指示のもと看護師・准看護師が施術する事が可能です。
看護師が施術する場合は、医師が常駐している医療機関での施術が必須となります。 -
Q.医師免許のない者が医療アートメイクをするのは違反ですか?
A.看護師免許を所有していれば、年齢制限はありません。
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Q.アートメイク看護師は何歳まで働けますか?
A.繊細で細かく集中力のいる作業になります。
年齢による視力や手の震え等が出現しても、道具を使用しながら施術されているアーティストもいます。
まとめ
医療アートメイクの施術者は、医師もしくは看護師の資格を持っていれば目指せる仕事です。人気の施術者になれれば、通常の看護師よりも高収入も目指せるためやりがいもあります。
看護師免許をすでに持っていて、アートメイク施術者を目指す場合は、アートメイク専門スクールへの入学がおすすめです。医療アートメイクに関する知識や技術などをしっかり学べるため、より就職や転職がしやすくなります。
美容が好きな方や、自分自身も綺麗になりたい看護師の方は、ぜひ医療アートメイクの世界を見てみてください。