基礎知識

医療アートメイクのダウンタイム期間は?目安とOK・NG行動を紹介

皮膚の浅い部分に色素を注入して着色する医療アートメイクは、すっぴんのままでもナチュラルメイクをしているような姿になり、メイクをする手間が少なくなるなどのメリットがあります。ただし、施術後の腫れや痛みなど、気になることもあります。

今回は、部位別に医療アートメイクのダウンタイム期間の目安や症状を解説します。スムーズな回復には、施術後の行動も大切です。施術後のOK行動やNG行動についても見ていきましょう。

医療アートメイクのダウンタイム期間は部位によって違う

部位別に、ダウンタイムの期間や腫れ、痛みについて解説します。施術後のアフターケアや肌の状態などによっても左右されるため、ダウンタイム期間はひとつの目安として参考にしてください。

  • 眉毛の医療アートメイク

    ダウンタイムは約1週間が目安です。当日から術後2日程度は腫れや赤み、ヒリつきなどが生じる可能性があります。時間が経つにつれて消失していきますが、施術部位に傷がある状態のため、触ると痛む場合もあるでしょう。

    徐々に腫れが引いてかさぶたができるようになり、かさぶたが乾燥してかゆみが出てきます。ダウンタイムが終わるころにはかゆみも治まり、かさぶたが自然に剥がれ落ちていきます。

    注入した色素が定着するまでは、眉の色が安定しにくいです。一時的に眉が濃くみえたり、想定よりも太いと感じる場合があります。

  • アイラインの医療アートメイク

    ダウンタイムは1~2週間程度が目安です。皮膚の薄いまぶたに施術するため、施術後はほかの部位と比べて腫れや赤みが出やすく、泣いた後のように腫れることもあります。腫れることで、目に違和感を覚えることもあるでしょう。

    腫れや赤みは、翌日から4日ほどで徐々に引いていきます。数日経つと、かさぶたができ、1週間かけてかさぶたが剥がれます。怪我をしたときのかさぶたと同じように、治りかけはかゆみを感じることもあるでしょう。

  • 唇の医療アートメイク

    施術から1週間~10日程度のダウンタイムがあります。施術直後は発色が強く、日数が経つにつれて色の状態が変化していきます。

    唇はデリケートなため、腫れや赤みが出やすい部位のひとつです。2日程度で腫れが治まることが多いものの、長ければ1週間ほど続くこともあります。

    3~4日後には、唇の皮がめくれ始めて色ムラが気になることもありますが、5~7日後には落ち着いてきて、色が馴染んでいくでしょう。

    施術後に「口唇ヘルペス」と呼ばれる唇や周辺に小さな水ぶくれができる病気を発症することがあります。その場合は、施術を受けたクリニックで薬を処方してもらいましょう。

  • ヘアラインの医療アートメイク

    1~2週間程度がダウンタイムの目安です。施術後に腫れや痛みを感じることがありますが、ほかの施術部位よりも腫れが出にくい傾向があります。腫れや赤みが出た場合も、2~3日程度で治まるでしょう。

    施術部位は傷ができたような状態のため、治るにつれてかさぶたができます。色が濃く見えることや、かゆみを感じることもありますが、次第にかさぶたが剥がれてかゆみが落ち着き、色も馴染んでいきます。

  • ほくろの医療アートメイク

    ダウンタイムは1週間程度が目安ですが、施術部位が小さいため、ダウンタイムが比較的短い傾向にあります。個人差はありますが、施術後に腫れや赤み、痛みの症状が出る可能性もあります。順調なら1〜3日程度で治まることが多いです。

    次第に腫れや赤みが引いていき、ほくろの色が肌と馴染みます。薄い皮ができることもありますが、無理に取り除くと色素の定着を妨げてしまうため、そのままにしておきましょう。

医療アートメイクのダウンタイム、OK行動は?

ダウンタイム期間に行ってよいことや、行うべきことをご紹介します。

  • メイク

    医療アートメイクの施術後、施術部位はそのままでもメイクしたかのような発色になります。基本的に医療アートメイクのダウンタイム期間も施術部位以外はメイクできます。

    施術部位は肌が敏感になっているため、なるべく刺激を与えないことが大切です。色素の抜けや肌トラブルを防ぐために、施術部位のメイクはダウンタイム期間が過ぎてからにしましょう。

    施術部位以外をメイクした場合はクレンジングも必要ですが、施術部位にクレンジング剤がかからないように注意が必要です。ダウンタイム期間は、拭き取りタイプのクレンジングを使うなどの工夫をします。

  • 保湿

    ダウンタイム中の施術部位は乾燥しやすくなります。乾燥した状態だと傷の治りが遅くなりやすく、皮膚のかゆみが生じることもあるため、十分な保湿が必要です。クリニックから処方されたワセリンなどの保湿剤を使ってケアします。

    また、施術後は色素が定着しにくく色が抜けやすいという特徴がありますが、保湿によって色素の排出防止効果も期待できます。いつも以上にしっかりと保湿を心がけ、医療アートメイクの持ちがよくなるようにしましょう。

  • 清潔を保つ

    施術部位から雑菌が入り込む可能性があるため、注意が必要です。汚れた手で触れることは避け、どうしてもかゆみが気になる場合は清潔なガーゼなどを使って軽く押さえます。

    保湿する際も手を清潔にし、施術部位によっては綿棒などを使うと刺激を軽くできます。施術部位に近い場所をメイクするときも、スポンジやメイクチップはきれいに洗ったものを使用しましょう。汗をかくことはなるべく避ける必要がありますが、汗をかいた場合はすぐに拭いて清潔に保ちます。

  • 痛み・赤み・腫れは冷やす

    炎症が起きると、痛みや赤み、腫れが生じます。こういった症状が施術する部位に生じた場合は、冷却することで、症状を和らげることができます。

    水で濡らした清潔なガーゼやタオル、タオルで覆った保冷剤などを使って患部をやさしく冷やしましょう。患部をクールダウンさせて炎症が治まれば、傷口の治りも順調に進むことが期待できます。

医療アートメイクのダウンタイム、NG行動は?

ダウンタイム期間は傷口が回復しておらず、肌がデリケートな状態です。そのため、してはいけない行動がいくつかあります。

  • 入浴

    お湯に浸かると代謝がアップし、血行がよくなります。その結果、施術部位が腫れたり、炎症がひどくなったりするおそれがあるため、ダウンタイム中の入浴は避けましょう。色素が抜けることにもつながります。

    そうはいっても、お風呂に入らないと清潔な状態を保ちにくいものです。シャワーはOKなので、ダウンタイム期間は施術部位に負担をかけないように工夫して、シャワーですませる事をおすすめします。

  • 運動

    運動も代謝をアップさせる行為であり、血行が促進されます。また、運動時にかいた汗から雑菌が入ってしまうと、炎症を起こす原因になります。

    腫れや赤み、色素の流出などにつながりかねないため、ダウンタイム中の運動は控えましょう。軽い運動であれば可能な場合もありますが、汗をかくほどの負荷がかかる運動は避けると安心です。

  • かさぶたを剥がす

    かさぶたには、傷口をふさいで雑菌の侵入を防ぎ、傷口の回復をスムーズにさせる役割があります。かさぶたの下にある皮膚が生まれ変わると、かさぶたは自然と剥がれ落ちていくものです。

    見た目やかゆみが気になるといった場合、無理矢理剥がしたくなることもあるかもしれませんが、皮膚を傷つける原因となります。自然に剥がれるのを待ちましょう。

  • 日焼け

    紫外線に当たると、注入した色素が変色や退色を起こす可能性があります。皮膚の乾燥を引き起こすうえ、代謝を早める作用もあります。

    さまざまな理由から日焼けはNG行為のため、外で長時間過ごすことを避ける、帽子や日傘、サングラスで対策をするなど、日焼け対策が必要です。

  • 飲酒・刺激の強い食べ物

    飲酒は、体温の上昇や代謝のアップにつながります。炎症が起きてかゆみや腫れが生じかねないため、飲酒は控えましょう。むくみが起きる原因にもなります。

    唐辛子がたっぷり含まれる料理など、刺激の強い食べ物も避けます。唐辛子を摂取すると代謝が活発になり、体温の上昇や発汗促進の作用があるため、注意が必要です。

医療アートメイクのアフターケア

部位別に、アフターケアで押さえておきたいポイントをご紹介します。

  • 眉毛の医療アートメイク

    眉毛の周辺は皮膚が比較的厚めではありますが、赤みやかゆみが生じることがあります。しっかりと保湿することが基本です。

    肌が敏感な場合などは、いつもより入念に保湿を心がけましょう。炎症が起きた部分は、冷やして症状を落ち着かせます。

  • アイラインの医療アートメイク

    まぶたの皮膚は薄くてデリケートなため、腫れや赤み、かゆみなどに注意が必要です。患部を濡らさずに清潔に保ち、刺激を与えないようにしましょう。

    目元が気になっても、なるべく触らないように心がけます。普段からコンタクトレンズをつけている場合は、施術後3~4日は控えておくのが無難です。

  • 唇の医療アートメイク

    唇は、食事や歯磨きなどで刺激を受けやすい部位です。辛い食べ物や、熱い飲み物が唇に触れることは避け、飲み物はストローで飲むなど工夫するとよいでしょう。

    歯磨きの際に歯磨き粉が付着することも、なるべくなら避けたいところです。付いてしまった場合は、清潔なガーゼやティッシュでそっと拭き取ります。

  • ヘアラインの医療アートメイク

    アフターケアでは濡らさないようにすることが基本ですが、施術後3日目からは、施術部位以外の洗髪ができます。6日ほど経過すれば、全体の洗髪も可能です。

    ヘアカラーは頭皮へのダメージが大きく、施術部位に触れると炎症を引き起こす可能性があるため、施術後1か月ほど控えましょう。

  • ほくろの医療アートメイク

    施術部位以外はメイクが可能ですが、メイク落としや洗顔の際にクレンジング剤や洗顔料が施術部位に付着することは避ける必要があります。拭き取りタイプやシートタイプを使用するなど、工夫しましょう。

医療アートメイクのダウンタイムを隠す方法

つばが広い帽子や深くかぶれる帽子であれば、影ができて眉や目元を隠しやすくなります。おしゃれな帽子も多いため、普段の服装に合う帽子を探してみてはいかがでしょうか。帽子は、日焼け対策にもなります。

眼鏡も目元を隠すのに便利なアイテムです。肌に直接触れないため衛生的に隠せるうえ、花粉やホコリ、風などの刺激から守る効果も期待できます。普段から眼鏡をかけない場合は、周りから注目されてしまう可能性があるので、施術前からかけておくと目立ちにくいでしょう。

施術部位を目立たなくするために、ほかのポイントメイクを強調して視線をそらす方法もあります。目元の赤みや腫れが気になる場合はリップの色を鮮やかにして強調するなど、工夫してみてはいかがでしょうか。

医療アートメイク施術後に関するよくある質問

  • Q.アートメイクは何日で馴染む?

    A.部位によって違います。眉は1週間程、アイラインは1週間~2週間、リップは1週間~10日程です。 術後、2日~1週間程、多少の腫れやかゆみを生じます。

  • Q.眉アートメイクをして1週間後はどうなるの?

    A.ダウンタイムが終わるころにはかゆみも治まり、かさぶたが自然に剥がれ落ちていきます。 色素が定着するまで多少時間がかかりますが徐々に安定していきます。

  • Q.リップアートメイクをして1週間後はどうなるの?

    A.施術直後は発色が強く出ることがありますが、日にちが経つにつれて色の状態が変化していきます。唇はデリケートなため、腫れや赤みが出やすいです。3~4日後には、唇の皮がめくれ始めて色ムラが気になる場合もありますが、5~7日後には落ち着いてきて、色が馴染んでいくでしょう。

まとめ

医療アートメイクのダウンタイム期間は、アイラインや眉、唇などの部位によって異なります。アイラインや唇などのデリケートな部分は、腫れや赤みが出やすいといわれています。

施術後の過ごし方やアフターケアによって、回復するスピードに差が生じます。保湿をしっかりと行い、肌を清潔に保つように心がけましょう。刺激の強い食べ物も避け、入浴や運動などの代謝をアップさせる行為も控えます。

適切にケアしていくことで、徐々に施術部位は回復していきます。ダウンタイムの症状について不安な場合は、クリニックのカウンセリングで相談してみてはいかがでしょうか。

国際美容医療アートメイク協会が運営するアートメイクスクール
IMAA事務局 広報チーム
執筆者
IMAA事務局 広報チーム

本コラムでは、皆さんに役立つ医療アートメイクに関する情報をお届けします。基礎知識から最新のトレンド情報のみならず、医療アートメイクには不可欠な眉デザインの上手な描き方やメイクアップ方法など幅広く発信します。